授業テーマ14「デジカメがなくなる?」
みなさんこんにちは
今回は最近のニュースからの出題です。
その前に、、、ニュースと言えば、今大学のアメリカンフットボールの試合のことが大きなニュースになっていますね。みなさんはどのように考えて見てますか?
わたしは、真相はともかく、実際の行為は許されるものではありませんが、監督・コーチと選手の間のやり取りは、前回まで取り上げていた「メディアリテラシー」「コミュニケーション」のことに似ている側面を持っていると思っています。
監督やコーチが指示を出す、選手がそれを理解して行動をする。監督やコーチは指示の中で伝えたかったことがある(と言っている)。とすれば、でも選手には伝えたかったことが伝わらず、違う意味で伝わり。で、あの出来事が起こった。
大人と大学生でもこうなるのです。
監督、コーチは「そういう意味ではない」「言ってない」といい、選手は「監督、コーチからこう言われました。」と話す。
コミュニケーションって難しい。
このニュースだけでも授業ができますね。
ここにあった問題は、コミュニケーションの頻度や量の少なさもひとつの問題ではないかと思います。
選手は監督と話すことはほとんどなく、非常に怖い人になっています。監督という立場も絶対的な存在。反論おろか質問すらできない。憶測ですが、コーチも実は監督とあまりできていなくて、監督の言動をそのまま、あるいは自分の言葉に変えただけで選手に伝えている様子。これまでずっとこれでやってきた、選手を強くしてきた、これが正しいんだと思っていたからでしょう。
今回の出来事から言えば正しくなかったんですね。ホントは日ごろから様々なことを話していれば、もう少しお互いのことが分かって、あの人がこう言っているのは、こういうことなんだとか、この選手はこういう性格だからこう話すほうが分かってもらえるとか、相手のことを理解し考えることができたと思います。お互い勝ちたいし、強くなりたい気持ちは同じなのにね。
これらはあくまで私の私見です。
さて、授業のテーマに戻りましょう。
先日、カシオがデジタルカメラの事業から撤退するニュースがありました。カシオと言えば、みなさんには電子辞書とかGショックが有名かと思いますが、実は今のデジカメの普及機を最初に販売したのはカシオなんです。カシオでは23年間デジタルカメラを作っていました。ヒット商品も数多くあったんですが・・・。
さて、クエスチョンです。
Q1. なぜ、カシオはデジタルカメラの事業から撤退するのでしょうか?当然儲からないからなんですけど、その理由を以下の考え方を使ってもうすこし詳しく説明してください。(情報収集力・思考力)
プロダクトライフサイクル(略してPLS)って、知っていますか?マーケティングでよく使う考え方です。製品が市場に出てからの盛衰を売上と利益、競合相手の側面から4段階に分けて現状を理解するというものです。
具体的には、以下のようなものです。
PLSでは、製品の盛衰を4つの段階で分けています。
1.導入期=製品が市場に投入された段階です。図表のように売上は0から少しずつ増える段階。特にこれまで世の中になかったような製品は、お客さんも知らないし、なにがよいのかも判断できないので、すぐには売れません。で、この段階は利益はマイナスから始まります。なぜかわかるかな?答えは、製品を投入するまでにかけた開発のコストが既にあってその費用を回収するまで売れていないので、マイナスから始まります。この時期は、競合する製品はまだ少ないのが特徴です。
2.成長期=いよいよ、製品に対するお客さんの認知(内容が分かる)が進み、売れていく段階です。この図表のように、大きく売上が増え続け、ようやく利益も増え始める段階です。この段階では、あの製品売れそうだということで、競合製品が増え始めます。競争も徐々に激しくなるというのがこの段階です。
3.成熟期=この段階がこの製品が一番売れる段階です。開発にかかったコストもほぼ回収できているので、利益も最大になります。ただし、競合製品との競争が最も激しいのもこの段階で、競争に勝てずに売れない製品などが徐々に姿を消し始める段階といえます。
4.衰退期=お客さんに対する製品の魅力がなくなり、売れなくなっていく時期です。徐々に売上が下がりはじめます。競争相手は少なくなっているのですが、売れる数が減っていくので利益も下がりはじめます。
こんな風に製品の盛衰をあらわすのですが、
さて、今回のデジカメは、PLSではどの段階なのでしょうか?
また、デジカメの場合、実は競争相手が同じデジカメではなくなったということが大きな原因でもあります。さて、それは一体なんでしょうか?
皆さんなら、もう分かりますよね。
Q2. デジタルカメラはなくなる?でしょうか?他のカメラメーカーはどのような状況でしょうか?(情報収集力・思考力)
PLSでいう、成熟期や衰退期の段階で、メーカーは延命のために様々なことを考えます。カシオは撤退という判断をしましたが、他のカメラメーカーは撤退せずに様々打ち手を打っていますね。すこし、情報収集してどんな狙いがあるのか考えてみてください。
今回は、この2つです。
では、また。