中学・高校生のための よのなかマーケティング・キャリア教育 授業テーマ集

中学・高校の「現代社会」「公共」「総合的な学習の時間」で、これから求められる「思考力・判断力・表現力」を養うための探求型授業で使える授業テーマ集です。 Copyright Masanori yano

授業テーマ26「お小遣いがキャッシュレスになったらどうする?」

 

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みなさん、こんにちは。

いよいよ2019年がスタートしました。今年はみなさん、どんな一年にしますか?

この一年をどんな一年にするかは、皆さん次第。新たな挑戦や、継続したいことなど決めてどんどんアクションしていきましょうね。

 

さて、新年1回目は、年末にも話をした「キャッシュレス」のことから始めたいと思います。

 

「キャッシュレス」とは、現金以外で「ものやサービス」を買うことなのは皆さんも知っていることですよね。笑

 

ですが、

みなさんは「キャッシュレス」って実際していますか?

みなさんが実際している「キャッシュレス」っていうと、なんだろう?

 

たとえば、「プリペイドカード」はどうですか?アップルやグーグル、あるいはアマゾンなど専用に使えるカードがコンビニなんかにも売っているけど、プレゼントなんかでもらったことないですか?

 

あるいは、学校に交通機関を使って通学していると、おそらく「Suica」とか「Pasmo」あるいは「Icoca」や「Pitapa」などの交通系カードを定期券にしている方もいますよね。そのカードにお金をチャージして、コンビニなどで使っている方もいるのかなと思います。

 

日本では、これまでの「キャッシュレス」は大学生以上でないと作れない「クレジットカード」や、銀行口座にある預金から直接支払う「デビットカード」(※一部の金融機関では、15歳以上なら持てるそうです。)が主流でした。となると、中学生や高校生の皆さんがキャッシュレスするってそんなになかったのかもしれませんね。

 しかし、ここ最近スマートフォンが、おサイフになり、クレジットや銀行口座の不要な方法も出てきました。バーコードやQRコードを使ってお金のやり取りをする方法も出てきました。

 

これをよのなかでは、「モバイルペイメント」っていうそうです。

で、「キャッシュレス」がますますひろがります。

 

ここで、少し「キャッシュレス」についてお勉強してみましょう。

 

実は、世界では「キャッシュレス」が当たり前になりつつあります。

2018年4月に経済産業省が「キャッシュレス・ビジョン」という報告を出しました。

それによると、世界でのキャッシュレスの比率は以下のようになっています。

 

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(出典:経済産業省 「キャッシュレス・ビジョン」2018年) 

 

一番進んでいるのは、韓国でなんと約90%!ついで、中国の60%とつづき、なんと日本は2015年時点で18.4%しかありません。

 

これはなぜか?

実は各国がキャッシュレス化した背景と日本の状況が異なるからと「キャッシュレス・ビジョン」では説明されています。

www.meti.go.jp/press/2018/04/20180411001/20180411001-1.pdf
 

 

たとえば、キャッシュレス比率が48.6%のスウェーデンでは、

「1980年代後半に発生したバブル経済が1990年代初頭に崩壊し金融危機に陥ったことから、金融機関を中心に国家を挙げて生産性向上を目指したことが背景の一つと考えられる。また、冬季期間の現金輸送の困難さや慢性的な人手不足となっていること、現金を取扱う金融機関や交通機関等での強盗事件が後を絶たず犯罪対策としてキャッシュレスが推進された」(出典・一部抜粋:経済産業省 「キャッシュレス・ビジョン」2015年)

 

キャッシュレス比率トップの韓国では、

「1997年の東南アジア通貨危機の影響を受け、その打開策として実店舗等の脱税防止や消費活性化を目的に、政府主導によるクレジットカード利用促進策を実施した結果が、その一因であると考えられる。」(出典・一部抜粋:経済産業省 「キャッシュレス・ビジョン」2018年)

 

あるいは、中国では、

「中国では、現金の安全性(偽札問題)、透明性(脱税問題)、コスト(印刷・流通コスト)にかかる課題が存在した。また、1990年代まで決済システムやルールが統一されておらず、これらを刷新したことが、キャッシュレス実現の背景といえる。」

(出典・一部抜粋:経済産業省 「キャッシュレス・ビジョン」2018年)

 

というのが背景とされています。

それぞれ少しづつお国事情がちがいますよね。

(このあたりって、社会や歴史なんかで学ぶのかな?)

 

でも、日本はバブルの崩壊で金融機関の建て直しはスウェーデン同様ありましたが、けど、強盗や脱税、偽札などは特に大きな問題になっていない。それどころか、お金を落としても戻ってくる、紙幣や硬貨がきれいで、偽札も作れないなど、各国とは間逆といって良いほどの状態ですよね。

 

(1) 盗難の少なさや、現金を落としても返ってくると言われる「治安の良さ」

(2) きれいな紙幣と偽札の流通が少なく、「現金に対する高い信頼」

(3) 店舗等の「POS(レジ)の処理が高速かつ正確」であり、店頭での現金取扱いの煩雑さが少ない

(4) ATMの利便性が高く「現金の入手が容易」

(出典・一部抜粋:経済産業省 「キャッシュレス・ビジョン」2018年)

 

と、経済産業省がまとめている通りですよね。

 

で、結果「キャッシュレス化」に遅れをとっている。

とされています。

こんなにすばらしい状況なのに「遅れをとっている」って、「変なの」って思う方もいるかもしれませんね。笑

 

でも、ここにきて

◎訪日外国人のインバウンド対応(特に2020年のオリンピック・パラリンピック、2025年大阪万博などもあるよね)しないといけない。

少子高齢化・人口減少から、店舗の無人化や効率化を進めないといけない。

◎無数にあるATMの維持や現金を運ぶコストなども節約しないといけない。

◎みんなのお金の使い方を情報として活用することで、様々な産業がよりよい商品・サービスを提供して、生産性を向上させながら、世界に遅れを取らないようにしないといけない。

などから社会として必要になってきたことで「キャッシュレス」を進めていこうとなってきました。

 

詳細について、もっと知りたかったら、

「キャッシュレス・ビジョン」

www.meti.go.jp/press/2018/04/20180411001/20180411001-1.pdf
 

を一度読んでみてくださいね

 

ということで「キャッシュレス」が確実に進みます。

 

さあ、そこでみんなへのクエスチョンです。

エスチョンの狙いは、皆さんに「キャッシュレス」を知ってもらうこと。メリットとデメリットを知ってもらうことにしたいと思います。

 

Q1. 皆さんのお小遣いが、キャッシュレス化されたとします。

まずは、「こういうときにいいなあとか、便利になること」って何でしょうね?

少し考えてみてください。(思考力)

 

そうですね~。今皆さんのお小遣いがキャッシュレス化されるとすると、皆さんが良く使っている「LINE」が行っている「LINE Pay」がいちばん近いかな。少し「LINE Pay」で出来ることを調べてみるとわかりやすいかもです。

 

あっ、私LINEの宣伝マンではございませんので、お勧めしているのではありませんのであしからず笑

 

Q2. では、逆になんだか、やだな、不安だなと思うことを考えてみてください。

  (思考力)

 財布にお金がない、ケータイの中にある状態です。また、使える場所は全ての店舗ですか得ることを前提としましょうか?

 

Q3. そのうえで、お小遣いのキャッシュレス化になった時、こう使いたい、ここは気をつけようと思うことを教えてください。(思考力)

 

ちなみに、中学生・高校生のお小遣いっていくらくらいなのかなあって少し調べてみました。中学生で月に2,500円くらい、高校生で月5,000円くらいなんですね。

 

では、また。

今年もよろしくお願いします!