中学・高校生のための よのなかマーケティング・キャリア教育 授業テーマ集

中学・高校の「現代社会」「公共」「総合的な学習の時間」で、これから求められる「思考力・判断力・表現力」を養うための探求型授業で使える授業テーマ集です。 Copyright Masanori yano

授業テーマ30(授業案<教材付>)「最先端コンビニのベネフィット分析をしてみよう!」

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みなさん、こんにちは。

いよいよ、4月!

4月1日には、新元号も発表され、何かしら新しい時代が始まるワクワク感一杯ですね。

 

元号は「令和」。その意味はもうみなさんご存知かと思いますが、

 

元号」って、漢字でかつ音読みで作ることだけ見れば、中国や漢籍が元々ですよね。しかし、いまだに「元号」という、数字だけの西暦ではない「意味を持つ年」を作るということは、日本だけ。(中国は1911年に辛亥革命によって清が倒れると元号は廃止。1932年に満州国が建国され、一度は復活するものの1945年の満州国滅亡で再び廃止。)来る世代に思いを託すというその意味、その意味が一番の価値、文化ではと私は思っています。

 

さて、そんな新しい時代に、新しい動きがニュースになりました。

 

ファミリーマートパナソニックがIoTを駆使したコンビニをオープン」

 

これは、パナソニックが子会社を作って、パナソニック自身がファミリーマートを運営するというもの。

このコンビニでは、「IoT」を活用し、これからのコンビニをどのようにしていくかを実証実験する。

 

「IoT」は知ってるかな?

ja.wikipedia.org

 

分かりやすく言うと、様々なものに人間で言う五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)の分かるセンサーをつけて、それをインターネットで結び付けるような感じかな。例えば、電話にセンサーを組み込んだものが、実は、みんなが持っているスマホですよね。

 

その「IoT」を使ったコンビニって、どんな特長があるかというと・・・

 

その1:レジがなくてもいい

 

えっ、お金払わなくてもいいの?笑。

今回のコンビニでは、どう買い物をするかと言うと、まず、入口のカメラで顔認証を行ってチェックイン。そのあと、自分が買いたい商品を手にとって、カウンターに持って行って、商品をカメラでどの商品を買うのかを登録。そのあと、出るときに、再び顔認証すると決済が行われる。というもの。

 

支払いは、クレジットカードや、そう!PayPayやLINEPayなどのモバイルペイメントで自動的におこなわれます。すごいよね。どんな感覚なんでしょうね。買い物している気持ちになるんでしょうかね?

 

このレジがないお店は、アメリカでもアマゾンが「Amazon GO」っていう店を作ってやっています。

 

その2:お客さんの動きをチェック

 

コンビニ内には天井に360°カメラを設置。お客さんがどのようにお店の中を動くか、どの場所にたくさん人が集まるかなどをチェック分析するそうです。

 

その3:品切れ商品をチェック

 

さらに、天井にはカメラとともにセンサーがたくさんあって、商品が陳列されている棚の商品をチェックしていて、品切れ(ギョーカイでは「欠品(けっぴん)」といいます。)になると、店員さんが腕につけているデバイスに知らせて、すぐに商品を補充してもらうようになっています。

また、棚のどの商品が欠品しているかをわかりやすくするため、電子ペーパーが搭載された値札(ギョーカイでは、「プライスPOP」といいます。)にLEDついていて、欠品の時に点灯して、店員さんへその場所を分かりやすくしています。

 

その4:海外の方もおまかせ

 

カウンターには対面翻訳システムというものがあって、店員さんと外国人の間で会話をすると、タブレット上に日本語と外国語が即時に表示されるので、きちんと対応することができるそうです。

 

その5:ご注文はスマホ

 

コンビニに行く前に、スマホからお弁当を注文しておくと、お取り置きされて、来店時にすぐ買えるというサービスもあるようです。

 

どうですか?想像できますか~。ミライを描いた映画に出てきたようなことが、現実に始まりそうですよね。

 

では、今回のクエスチョンに行ってみましょう!

おっ、今回の授業テーマで30テーマ!!ですので、授業案まで考えてみました!

 

今回は、「ベネフィット分析」をみなさんとしてみようと思います。思考力のトレーニングになると思います。

 

「ベネフィット(Benefit)」は、日本語で「利益」とか「恩恵」とか「便益(べんえき)」と言う意味で、マーケティングでは、商品から得られるお客さまにとっての価値ということです。

 

似たような言葉で、「メリット(Merit)」と言うのがありますが、ベネフィットとメリットは少し意味が違います。メリットは「効果」という意味で、その商品ができることを示し、ベネフィットはその「効果」でお客様がどういった価値を得るのかということになります。

 

例えば、マーケティングで有名な話で言うと、大工さんなどが使う「ドリル」の話があります。

 

「ドリルの欲しいお客さんは、ドリルそのものが欲しいのではなくて、ドリルを使って得られる『穴』が欲しい」

 

「ドリル」と言う商品のメリットは、穴が簡単に開けられるという効果、ベネフィットは、「正確な穴が開く」「時間が省ける」とか「キレイに開くので気持ちがスッキリ」ということになります。

 

このベネフィット視点で今回の「IoT」コンビニを考えてほしいのです。

分かったかなあ?まあ、一度やってみましょうか?

 

Q1. 「IoT」コンビニの5つの特長から、ベネフィットを教えてください。(思考力)

ただし、以下の立場の中から1つの立場を決めて教えてください

 

・「IoT」コンビニを作ると、

  ファミマにとってはどんなベネフィットがありますか?

 

・「IoT」コンビニをやってみると、

  パナソニックにとってはどんなベネフィットがありますか?

 

・「IoT」コンビニが普及すると、

  コンビニを経営する店舗オーナーにとってどんなベネフィットがありますか?

 

・「IoT」コンビニが普及すると、

  来店するお客さんにとってどんなベネフィットがありますか?

 

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今回は、授業案も考えてみました。

グループに分かれたワークショップでやってみるとよいのではと思います

 

用意するもの:

・「IoT ファミマ」などのキーワードで「ニュース」を検索し一読。

 (詳細をつかんでおいてください。)

・模造紙を用意。

・上記の授業テーマシート

・付箋、サインペンなど

 

授業前半(オリエンテーション):

上記の授業シートを配布。

 

授業中盤(ワークショップ):

グループに分かれ、まずグループで立場を決めてもらい、特長ごとのメリットを各自で付箋に書いて出し合って、討議。(メリットの部分をグループで合意形成)

以下のような模造紙に合意形成できたもののみを張り付けてもらう。

 

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授業後半(ワークショップ):

グループごとで、合意されたメリットをもとに、ベネフィットを各自で付箋に書いて出し合って、討議。(グループで合意形成)

以下のような模造紙に合意形成できたもののみを張り付けてもらう

 

まとめ(プレゼンテーション):

各グループごとで発表

 

ふりかえり(リフレクション):

授業を通して、各自が思ったことを「YWT」や「KPT」などで振り返り

(振り返り方法は以下も参考にしてみてください)

 

masashiki2018.hatenablog.com

いかがでしょうか?先生方のご意見お待ちしています。

 

では、また。

 

2020年6月17日 このテーマの教材シート作成しました。(パワーポイント)

 

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ご必要であれば、以下よりご連絡ください。

 

masashiki2018.hatenablog.com

 

 

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