中学・高校生のための よのなかマーケティング・キャリア教育 授業テーマ集

中学・高校の「現代社会」「公共」「総合的な学習の時間」で、これから求められる「思考力・判断力・表現力」を養うための探求型授業で使える授業テーマ集です。 Copyright Masanori yano

授業テーマ23 「みんなが得する!?早割のメカニズム」

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みなさん、こんにちは。

 

もう11月。早いねえ笑。11月になると・・・・そろそろ世の中、クリスマスの装いに。

みなさん、クリスマス好きかな?

 

さて、クリスマスと言えば、欠かせないものにクリスマスケーキがありますよね。もう10月くらいから、予約を受け付けているお店もあって、気が早いなあ~とか私なんかは思ってしまいます。

そのクリスマスケーキの予約で、よく見かけるのがいわゆる「早割」とか「早得」。いつまでに予約いただくと○○%割引きとか、ポイント進呈とかお得になります。

 

この早割はクリスマスケーキだけではなく、おせち、お歳暮、あるいは、航空券や宿泊など様々な商品やサービスで展開されていますよね。最近では、ランドセルもゴールデンウィークや夏のお盆のころから予約販売して、「早割」していますよね。

 

予約するだけで、結構安くなるこの「早割」。私たち消費者にとってはお得なことですが、早割を実施しているお店や企業は損しないの?って思いませんか?

 

今回はこの「早割」をテーマにみなさんと考えてみたいと思います。

 

ではクエスチョンです。

 

ここでは、クリスマスケーキの早割りを行うケーキ屋さんで考えてみてください。

 

Q1 なぜ、お店は、早割を行うのでしょうか?(思考力)

   まずは、自分自身で考えてみてね。

 

Q2 早割を行うと、お店は損しないのでしょうか?(情報収集・思考力)

   どう思いますか?

 

Q3 損しているとすると、何で損してまで早割をするのでしょう?

逆に、損はしていないとしたら、割り引いた分のお金はどこから得ているのでしょう?(思考力)

「損する、しない」って、どういうことか?をまず考えてみてください。

 

今回は、「価格」というものがテーマで、学校の授業で言うと、現代社会と算数を組み合わせて考えるようなものです。

 

マーケティングでは、商品やサービスをよのなかへリリースする時、4P(あるいは4C)を決めてリリースします。

 

マーケティングの基本なので、ついでに少し説明しておきますね。

 

Product(製品)

=どんな製品を出すのか、特長は何か、他社と何が違うのか

※話それますが、モノを「製品」と言ったり「商品」って言ったりしますが、同じことだと思っていませんか?実は使い方はマーケティングでは違うんですよ。また、お教えしますね。

 

Price(価格)

=いくらで売るのか。消費者は、買ってくれる価格か、他社より高いか安いか

※これは、前回の授業テーマ「その気にさせる!ネーミング」でふれた4つの価値が関係してきます。

 

Place(販売する場所)

=どこで売るのか。百貨店、スーパー、コンビニ?ネット?など売って行く場所を決めます。

 

Promotion(どう売るのか)

=どうやって知ってもらって、買ってもらうのか。いわゆる広告や販売促進と言われるもの

 

この4つのPをしっかり決めないと、売れません。

また、4Pは、「作って、売る」という企業からの視点ですが、これを、消費者の視点から見たのが4Cです。

 

Product(製品)

=Customer Value(顧客にとっての価値)

 

Price(価格)

=Cost to the customer(顧客の費用負担)

 

Place(販売する場所)

=Convenience(顧客の利便性)

 

Promotion(どう売るのか)

=Communication(顧客とのコミュニケーション)

 

となります。

「作って、売る」企業だけの視点で考えたことを、消費者の視点からも見ていくことも必要なんですね。

 

もっというと、この4Pや4Cを決めていくためにその前に最も大切なことを決める必要があります。

 

それが「誰に買ってもらいたいのか(ターゲット)」ということです。

 

また、商品やサービスができるだけ他社と競争しないように、「どのニーズを狙うのか」「また、そのターゲットのそのニーズに対して他社と異なるどんなポジションに立つのか」というSTP(Segmentation・Targeting・Positioning)を決める必要があります。

 

いちど、この4PやSTPについてもみなさんに分かりやすい事例で授業テーマをつくってみたいと思います。

 

では、また。