【先生方へのご案内】2学期以降の探求型授業づくりに!
皆さま こんにちは。
大変ご無沙汰となりました!
この間も多くの方にご覧いただき、大変ありがとうございます!
私は、この期間にいくつかの小中学校で、先生方を対象にした研修を行っておりました。
内容は、
探求型学習の授業をPBL(Project Based Learning)で行うためのカリキュラム作りを体験と実践
を行うものです。
このPBL、実はよのなかの活動では課題解決の手法としてさまざまな場面で活用されているものですが、
学校でも知識や学力をベースに、情報収集から課題分析、解決のための仮説アイデアづくりと検証、そしてアウトプットまで、教科を超えて総合的に「思考力、判断力、表現力」を養う
まさに探求型学習にぴったりの学びとなっています。
研修の中では、先生方が積極的に楽しみながらカリキュラムを作られていて、今後の授業づくりに活用いただけると期待しています。
さて、
もうすぐ2学期。総合的な学習の時間などを本格的に進める時期になりました。
依然コロナの影響があり、
従来の職場体験や課外授業が制約を受ける中、生徒の皆さんの貴重な時間をどう有意義な授業にしていこうかと悩まれている先生も多いかと思います。
そんな先生方へそのヒントとなる事例や情報になる機会のご案内です。
私が持つ資格の「キャリア教育コーディネーター」を全国で育成している
一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会
の主催にて、
2021年8月28日(土曜日)10:00-17:15
「キャリア教育コーディネーター全国大会」
を開催します。
今年で8回目になるこの大会は、毎年様々な地域を会場に行ってきましたが、
今年はオンラインでの開催!
今回のテーマはこちら!
コロナ禍で大きくキャリア教育は変化しました。また、GIGAスクール構想や、新学習指導要領の完全実施などにより学校全体の授業も大きな転換期になっています。
「そんな変化に、どうこれからの新しい授業を創っていくのか。そこにあるチャレンジをチャンスとして、それにトライし、より良い学びつくる、まさに学び続ける(Learn)ことを皆さんと考え共有し、活動しよう」
というのがテーマとなっています。
この大会は、キャリア教育コーディネーターだけでなく、
教職員の皆さまや、キャリア教育に取り組みたい学生、企業ご関係者などもご参加も大歓迎です。
これまでですと、開催地域によってどうしても参加の制約もありましたが、
今回はオンラインでの開催ですので、皆さまがご都合の良い場所から、自由に参加できるチャンスかと思います。(途中参加、退出も可能)
プログラム内容が予定されています。
■プログラム(予定)
午前の部
10:00~
キャリア教育に精通され、いつも非常にわかりやすいお話しが人気の
京都芸術大学教授 本間正人先生による開会宣言
10:20~
「学びを止めない!コロナ禍のキャリア教育事例」
経済産業省が主催する「キャリア教育アワード」を過去受賞され、昨年のコロナ禍でも継続的かつ効果的に実施されてきた企業3社のご担当者から、コロナ禍のキャリア教育の授業事例を発表いただきます。
また午後からは、
13:30~
・基調講演 京都府「未来の担い手」事業
地域・社会・キャリア教育コーディネーターと行うPBL型キャリア教育事例
として、現文部科学省 (前京都府教育庁指導部)の方、および現中学校教頭 (元京都府教育庁指導部)の先生から、京都府で推進されている「未来の担い手」事業でのPBLを活用した事例をご講演いただきます。
いずれも、2学期以降の授業づくりにご活用できる内容かと思います。
内容詳細、参加費用、お申し込みは、
以下サイトよりお願い致します!
直近のご案内にて申し訳ありませんが、
ご都合合いましたら是非、ご参加くださいませ。
(私も参加いたします。笑)
では、また。
2021年 ご挨拶
皆さま 新年おめでとうございます。
昨年もたくさんの方にご覧いただきありがとうございました。
本年もよろしくお願いいたします。
昨年は、本当に大変な一年でした。学校閉鎖に、再開後のコロナ対策、そして取戻し授業。さらに職場体験や課外授業の中止や延期と、児童、生徒にとって貴重な一年が翻弄され、先生方もこれまでとは異なるお忙しさを経験されることとなりました。
さて、本年2021年は、昨年のようなことにならないこと祈念したいのですが
今年に入りましても取り巻く状況は全く変わりません。その意味では、この3学期、そして新年度の学びもこれまでとは変えていかなければならないのが実情ではないでしょうか?
本年について「十干十二支」では
2021年 辛丑(かのとうし)
辛(かのと)は、辛く大変な出来事を乗り越えて
全く異なるステージに移る年。
丑(うし)は、根気よく、協力して、結び付きが強くなる年
とか...
まさに言い得て妙ですね。
学びの方法や内容についてもそんな年と言えるのかもしれません。
これからのよのなかを生き生きと、主体的に生きていく子供たちを育む全く異なるステージを作る年。
その学びは、「社会に開かれた教育課程」として、地域や社会と本格的に連携して行う年。
そんな風に考える方が良いのかもしれません。
2021年 "新" 8,760時間
そんな1年、8,760時間(24時間×365日)が始まりました。
世の中では、「強い種が生き残るのではない、変化に順応した種が生き残る」ともいわれます。
変化への順応は、学校でも同様かと思います。
・新年度どのような経営方針とするか?
・これまでの集合教育にリモート授業や家庭での子供たちの主体的な学びをどう組み合わせるか?
・対話や話し合いの場がリスクとして避けられる中、探求型の授業をどう作るか?
・「学びを何に活かすか」キャリア(=生き方)教育をどのように進めるか?
・職場体験、課外授業はどう進めるか?
・社会に触れ、体験し、経験を通じた子供たちの「思考力、判断力、表現力」の形成機会をどう作るか…
変化すべきことはたくさんあります。
まさにこの変化への順応を今年もご支援できればと思います。
前向きに、ドキドキしながら、ワクワクしながら、
どんな新しい時間をデザインしましょうか?
子どもたちにとって、皆さまにとって心地よい学校とは?
今年もよろしくお願いいたします。
今年は私も、このブログもそんな変化順応を行っていきたいと思います。どんな形が良いのか、皆さまのご要望はどんなものか?いろいろお聞かせください。
「子供たちが身近に感じるよのなかの変化を見つけ」
「そこにある課題やその解決方法を子供たちとともに考え」
「その経験を通じて、子どもたちがこれからを生きる自信と、力を養う」
キャリア(=生き方)教育を皆さまとともに考え、お手伝いしてゆきたいと思います。
2021年 1月4日
コラム 「個別最適な学び」Courseraに見るオンライン授業のポイント<TEDの私なりのまとめ>
みなさん こんにちは。
大変お久しぶりとなりました!が、いかがお過ごしでしょうか?
未更新の間も、多くの方に当ブログへ来訪いただき、
大変ありがたく思っております。
早速ですが、中央教育審議会初等中等教育分科会が「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~すべての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(中間まとめ)」を取りまとめ、令和2年10月7日付で公表されました。
社会の在り方が劇的 に変わる「 Society5.0 時代 」の到来や、新型コロナウイルスの感染拡大など先行き不透明な「予測困難 な時代」を背景にしつつ、先生方の働き方改革や、子供たちの多様化を課題にとして、これからの学校教育の在り方について方向性を示しています。
いろいろな視点から言及されていますが、
その中で「個に応じた指導」として、「指導の個別化」と「学習の個性化」というものを取り上げてあります。
指導の個別化
○基礎的・基本的な知識等を確実に 習 得させるため,ICT の活用や 専門性の高い教師 による より支援が必要な児童生徒へのより重点的な指導などによる効果的な指導○子供たち一人一人の 特性や学習進度等に応じ 指導方法・教材等の柔軟な提供・設定 を行うとともに, 自らの学習を調整しながら粘り強く取り組む態度を育成
学習の個性化
○基礎的・基本的な知識・技能や情報活用能力等の 学習の基盤となる資質・能力等を土台 として, 専門性の高い教師 による 個々の子供に応じた学習活動の提供
○自ら 学習を調整するなどしながら, その子供ならではの課題の設定 子供自身による情報の収集,整理・分析, まとめ・表現を行う等, 主体的に学習を最適化することを教師が促す
これからは「個別最適な学び」…
といわれても、学校という環境でどのように進めていけるものなのでしょうか?
そのためのICTの活用…
新型コロナウイルス対策で、数年間の変化が一気に起こり、学校でもオンライン授業が盛んにおこなわれるようになりましたが、周囲の先生方や、キャリア教育コーディネーターにお聞きすると、
先生方は「仕事が2倍になって大変」と疲弊、
子供たちは「オンライン授業に飽きてきた」
という声を聞くことがありました。
これでは「個別最適な学び」どころではありませんね。
目指すものは、今行っているオンライン授業ではどうもなさそうです。
先日、キャリア教育コーディネーターが集まってのオンライン会議で、
「今のオンライン会議は、これまでの教室で行ってきた授業ができなくなって、それを補うものとして、やり方をそのままオンラインに変えただけ」
という話が出てきました。
「つまり、今のオンライン授業は、マイナスをゼロにしようという発想でやっているけれど、もっとオンラインの特徴を積極的に活用して、取り組まないとね。」
なるほど!と思いつつ、そういえば・・・ふと思い出したものがあります。
それが皆さんもご存じのCoursera<コーセラ>です。
Courseraは、世界のトップと呼ばれる大学がオンライン学習講座を提供している教育プラットフォームですね。
「最高の大学の最高の講師陣による最高の授業を世界のすべての人に無償で提供する」
そんなコンセプトのもと、現在世界で4,400以上のコースで7,100万人の受講生が学んでいるそうです。
Courseraは、基本的にオンライン授業ですから、ここに何かヒントはないかと思っていたら、TEDでポイントを語るプレゼンテーションがありました。
Courseraをアンドリュー・ン氏と共同創設をされたスタンフォード大学のコンピューターサイエンス学部の教授「ダフニーコラー」氏が、2012年にお話しされた「オンライン教育が教えてくれること」という動画です。日本語訳ついてます笑
今回は、その中で語られているオンライン授業のポイントを私なりにまとめてみます。すでにご覧になって「何を今さら・・・」って先生方もおられると思いますが、「今だからできる、やるべき」と思うこともあろうかと思いますので、復習がてらお読みいただければと思います。
前提)オンライン授業で、本当の授業体験を!
まず大きな結論なんですが、Courseraのオンライン授業のコンセプトは、「本当の授業体験」。この「本当の授業」というのは、これまでの学校の教室の授業のことではどうもなさそうです。
動画の全体の脈絡を私なりに変えて説明しますが、
学校の講義では、講師が話をし終え、学生に簡単な質問をしたとき、80%の学生は講師が話していたことをまだノートに書いている最中、15%はフェイスブックを没頭中。一番前に座る賢い学生が、他の学生に考える間も与えず、さっさと答えてしまう。結果、多くの学生が質問に気づきもしないうちに、授業が先に行ってしまう。
こうならない授業が「本当の」という言葉に込められていることではないかと私は思いました。
後半でマーク・トウェインと、ギリシャの著述家のプルタコスの言葉を引用して
「大学は教師の講義ノートが学生のノートに書き写される場所」と言った。ダフニーコラー氏はそれに異を唱えつつ、
プルタコスは、
「心というのは、満たすべき入れ物ではなく、焚き付ける木のようなもの」
つまり、
授業とは、講義内容を詰め込むのではなく、対話を通じてクリエイティビティや想像力、問題解決能力を焚き付けることに時間を費やすべき。そんな教室(授業)を行う方法が、能動的学習(アクティブラーニング)だとダフニーコラー氏は話しています。そして、そのことは出席率や授業への参加の度合いを向上させ、結果成績も上がるという結果は明らかに出ていると。
まずここが最も大切な部分かと思いました。
そのうえで、どんなオンライン授業にするのかを見ていきます。
1.1つの授業をばらして、8分から12分で説明する小さなユニット教材に分割
授業の構成として、Courseraでは、1時間の授業をばらして8分から12分で説明する小さなユニット教材に分割されています。そのことで、学生は各々の背景や知識や関心に応じて、違う順序で教材を観ていくことができるようにしているようです。
ある学生は、授業の前提として知っておくべき知識を知らなかったら、その準備的教材から観る、あるいは、すでに理解し次へ進める学生は、より進んだ内容の教材を観る。
このことで個人にあったカリキュラムが組めるようになっています。
2.学習内容を本当に理解するための練習問題を繰り返し課す
Courseraでは、ビデオ教材を観たら、締め切りのある宿題が出され、それで成績が決まり、今通う学校の単位や就職の際の武器にもなる修了書が出されます。
ビデオ教材の中でも、数分ごとにビデオの内容について学生に質問が投げかけられます。その質問に正しい回答をしないと次へ進めないようになっています。質問は画面上に入力する形がとられ、成否はすぐに表示。間違えばもう一度ビデオを観たり補足説明を見て正しい答えを出せるようにしているようです。
繰り返しの復習問題は、他の学習方法よりも試験の結果を大きく向上させるそうです。
このあたりも学校の教室での授業では体験できないことですよね。
またに「個々に最適な学び」につながるのではないかと思います。
多くの情報を一気に伝えるのではなく、一つ一つの情報について理解できたのどうかを学生自身に確認させる「繰り返し復習」これもオンライン授業のポイントですね。
3.採点に学生相互の採点を入れる
数多くの学生の練習問題を一人の先生がどうやって採点するかですが、一つはテクノロジーを使っていますが、人文系、社会科学、経営学など批判的思考力を図るようなものにまだテクノロジーは適さないようで、そこでどうやって採点するのかを考えられた結果、学生が相互で採点することまた、自己採点することを取り入れているそうです。
Courseraの研究結果では、学生能力と教師の能力は相関していて、能力の高い学生の採点は教師の採点とほぼ同じだそうです。
また、この相互採点自体も、学生のいい学びにつながっていくそうです。
4.一人で自室でだけでなく、学生がコミュニティを作る
オンライン授業だから一人自室で行うだけでもないようです。Courseraでは学生がオンライン上にコミュニティを作り、お互いの成果を共有したり、協力できるような場が用意されているようです。またQ&Aフォーラムというものもあり、こちらに学生が質問を投げかけると、誰かが答えてくれるそうです。Courseraは世界中に受講者がいるのでたとえ深夜であっても、違う国の学生が答えてくれるとのことで、質問から回答までの平均時間は22分らしいです。
また、教師の働きかけなしに学生同士で、オンラインだけでなくリアルな場での学習グループが出来上がり、毎週集まって課題に取り組んでいる地域もあるそうです。
このあたりは大学生以上が多い?からできることなのかもしれませんが、ポイントは、「つながりのできる枠の多様さ」ともとらえています。学校で言えば「クラスを超える」、「学年を超える」、もっと言うと他の学校あるいは社会との「学校を超えた」つながりの中で、子供たちが学びを進めていく。これもオンライン授業の行う上で大きなポイントではないかと思います。
5.学習行動は、すべてデータに
オンライン授業には学校や先生にとって得られるものがあります。それは学習行動の「データ」。例えば、授業の中で学生が授業へ取り組む繰り返しの練習問題で、多くの学生が勘違いするところは明らかにわかるというものです。そのことで授業の内容を改善したり、学生に注意を促したりできる。Courseraには7,100万人の受講生がいるので、より正確につかめると思いますが、通常の学校でも時間はかかりますが、その傾向は見えてくるのではないかと思います。
6.個別指導で98%の学生を平均点以上に
動画の中では、最後に個別学習の効果について言及されています。個々の状況と状態に合わせた学習指導を受けた学生の98%が、一般的な授業を受け、試験をした場合の平均点を上回ることができると言われています。Courseraは、それにどれだけ近づけるかを常に考えて行われているようです
いかがでしょうか?
2012年にすでにここまでのことを行っていることにまずは驚きですが、今回、中央教育審議会初等中等教育分科会が指し示す「個別最適な学び」「そのためのICTの活用」は、Courseraの考えや、オンライン授業を行うポイントが非常に参考になるのではないか
と思いました。
また、皆さんのご意見等お聞かせいただければ幸いです。
今日はここまで。お付き合いいただきありがとうございました。
では、また
「大人のシゴト小学校スピンオフ企画 お仕事インタビュー」に出演しました。( ´∀` )
2020年8月31日 更新
みなさん、こんにちは。
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
今年は、感染対策として毎日の学校環境に最新の注意を払いながらの授業に、夏休み短縮、そして2学期の準備と例年以上に「ご多忙&大変」かと思います。これから熱中症も気になるところ。どうか健康に気を付けていただきながら、この夏も生徒さんが元気に、有意義な時間となるよう先生方を応援しております!
さて、先日、2020年8月22日に
「大人のシゴト小学校スピンオフ企画 お仕事インタビュー」に出演しました!
「大人のシゴト小学校」は、キャリア教育コーディネーターであり、教育研修プランナーの松倉由紀(まつくらゆき)さんが代表をされる株式会社ax-factoryが展開されている「シゴト小学校」のスピンオフ(=派生)企画。
「シゴト小学校」とは、勤労感謝の日に開催している小学校高学年向けのお仕事体験イベント。子ども向けですが、子どもたちの後ろでこっそり楽しんでいる保護者のみなさんも、少なくないんです。大人だって、知らない仕事の話、たくさんありますもんね!
そこで、学校のキャリア教育の授業でよくある「職業人インタビュー」の大人版授業をオンラインで開講!知らなかった仕事についてインタビューしてみませんか!
ax-factoryさんWebページより引用
という趣旨で、ZOOMを使って行われています。
大人の方も、もちろん子供たちも参加OK!。
前回、「システムエンジニアの仕事」の回に私も参加しましたが、
予想以上に面白い!
システムエンジニアって「どんな仕事をしているのか、なぜ独立したのか、やっていてうれしい時って?」などを松倉さんがインタビュアーとなってお聞きしながら、参加者もチャットでいろいろ質問、最後に参加者それぞれで「システムエンジニアは○○のプロフェッショナル」というキャッチコピーを作る流れとなっています。
その3回目として、私が「マーケティング・プランナーのお仕事」をお話しさせていただきました。
内容は、
「マーケティング」は世の中を楽しくする仕事?いったいどうやって?!
そもそもマーケティングって?
マーケティング・プランナーって、実際何やってるの?
マーケティングの仕事、会社を知ったきっかけは?
なぜ30年以上できているの?
失敗したことは?
調査の方法ってどんなのがあるの?
などなど、松倉さんを中心に、参加いただいたみなさんからの質問(チャットでやります)に答えながらの楽しい時間となりました。参加者の中には、小学校に通う子供たちもいてくれて、しっかり私の話を聞いてくれました!(メモをとってくれてたようで、これがめちゃ感激!)
で、最後に皆さんが私につけてくれたキャッチコピーが、どれもステキでとてもうれしかったです。
どんなキャッチコピーをいただいたか、どんな感じでしていたかなど、みなさん気になります?
ご興味ある方は、主催の株式会社ax-factoryさんの以下のページから当日の模様のアーカイブ映像やキャッチコピーなどは見ることができます。
よろしければぜひ!私以外の方のもあるので見てください。
出演してみてインタビューされるって、結構ワクワクするものですよね。事前に質問教えてもらっていないので、答えは用意してませんし、質問の中には、こちらがドキッとするようなものもあって・・・。
逆にインタビューするって、相手(今回は私)に興味、関心をもって「聞いてみたい!」と思わないとできないし、うまくインタビューしないと伝わらないし・・・。
お互いですけど、質問力とか表現力とかのいいトレーニングの機会となると思います。
今年は、小中学校などでは総合的な学習の時間の対応に苦慮されているところもあると聞いています。その対応策の一つとして、今回のようにZOOMなどを使って、様々な仕事をする人の話を聞いて、チャットでインタビューをする授業も良いのではと思います。
9月も予定されていますので、体験してみたい先生方は一度ご参加いただけると幸いです。
主催されている 株式会社ax-factory さんの会社概要です。
よのなかにある様々な仕事を知る機会って小学生はもちろん、中高校生もまだまだ少ないと思います。知っている仕事の幅が広がれば、自分自身が興味のあること、やってみたいことなども見つけやすい。またそれに向けて「今何をするべきか」という目標も立てやすい。そんな機会体験として、「シゴト小学校」にご参加いただければ幸いです。
では、また。
ご案内 先生方限定「これまでの授業テーマの教材シートを差し上げます」
みなさん、こんにちは。
今日は先生方へのご案内です。
前回取り上げましたテーマについて、多くの先生方から教材シートのご要望をいただきました。ありがとうございます。お役に立ちましたら幸いです。
これまでテーマはたくさん出してきましたが、実際の授業で使えそうなシートはあったり、なかったり・・・・して先生も「どうしたら、ええねん<関西弁ですいません>」と思われていたかも・・・
そこで、前回のテーマだけでなく、これまでのテーマも教材にして、より多くの先生方にお使いただこうと考えました。
いかがでしょうか?
先生のやってみたいテーマをメールにてお教えいただきましたら、教材シートのデータをお送りさせていただきます。
一つお願いがあります。
学校の先生限定とさせていただきます。
そのため、下記メールアドレスへ
〇学校名
〇先生のお名前
〇ご担当の教科
〇ご要望の授業テーマ
〇どんな授業で活用されるかなど
をお書きくださいませ。
なお、今すでにあるシートもあれば、これから作成するものもあります。
ほとんどのテーマは、何かしら教材にできると思っています。
できればリアルの授業だけでなくオンライン授業も意識して作成もできればと思いますので、ご要望いただきましてから、少しお時間いただく場合があります。先生方の授業予定時期に合わせて余裕をもってお送りくださいませ。
ご要望用メールアドレスはこちら
(コピペして、メールください)
yanoya2020education@gmail.com
また、私のプロフィールは以下の通りです。
(リンクしています)
以下、今すぐお送りできるテーマ・教材ワークシートです。
特別授業その4 思考力・想像力「『これからのよのなか』ってどうなると思う?」
教材シートあります。
2020年6月15日
特別授業その3「(読解力・表現力)メルケル首相の演説を読んで『伝える・伝わる』を考えてみよう」を教材シート化しました(マイクロソフトワード・PDFデータ)
特別授業その2「探求型(問題発見・分析・思考力)新型コロナから、ラーメン屋さんを救え!」(パワーポイント・エクセル)
特別授業「(論理的思考力)コロナウイルスによる よのなか変化を正しくつかもう」
(パワーポイント)
2020年6月16日
テーマ11・12 「この写真から何が見える?メディアリテラシーを試そう」の教材シート作成しました。(パワーポイント)
2020年6月17日
テーマ30「最先端コンビニのベネフィット分析をしてみよう!」
の教材シートご用意しました。(パワーポイント)
授業テーマ34「(思考力・分析力・チームワーク力)買いたくなる!お土産ってどんなもの?」の教材シート作成しました。(パワーポイント)
2020年6月18日
授業テーマ24「ヒット商品から、よのなか変化を逆分析してみよう」の
教材シート作成しました。(パワーポイント)
2020年7月14日
授業テーマ25「あなたならどっち?コンビニ6次産業化」
教材シートご用意しました。(パワーポイント)
ご要望用メールアドレスはこちら
(コピペして、メールください)
yanoya2020education@gmail.com
また、私のプロフィールは以下の通りです。
(リンクしています)
では、よろしくお願いいたします。
特別授業その4 <教材付>思考力・想像力「『これからのよのなか』ってどうなると思う?」
皆さん、こんにちは。
5月25日、緊急事態宣言が全国で解除されました。
長かったねー。
そして今日6月1日全国的にもほぼ学校も再開。。。
よかったねー。
とはいえ、先に再開した学校もあったり、公立と私立で自粛期間の学習方法が異なったりして、地域や学校ごとに勉強に差が出るとかが「不公平」とか、受験はどうなるのとかも言われてますよね。
そしてこれから…ここ3~5月の3か月分の取戻しを夏休みや冬休み、また土日をつかって行うなんて言う話も出てきていますよね~。
9月入学は見送られたし、入試時期や内容はどうするかまだ検討中・・・
いやー、先生も皆さんも大変!
いずれにしても、よのなかでは、「もう元に戻ることはない」と言われています。
「新しい生活様式」と厚生労働省は、ガイドラインを出していますね。
文部科学省も学校での指針を出されました。
もちろん、2年はかかると言われているワクチンができるまでと、できてからはまた変わると思いますが、この期間に皆さんが体験したことは、きっとこれからの暮らし方や生き方を大きく変える。
皆さんのこれからってどのように変わっていくでしょうか?
そこで、今回は皆さんに
「これからのよのなか」について考えてほしいんです。
ここまでの変化をおさらいしながら、「ひょっとしたらこうなるんじゃないのかな?」「こうなったらいいなあ」という仮説を考えてみてください。
これは問題発見力や思考力・想像力のトレーニングになると思います。
教科で言うと、「社会」や「総合的な探求の時間」に当たるかな。
考えたことが当たるとか、当たらないとかではなく、そんなことを仮説にして皆さんでこれからを話し合ってみるのがいいと思います。
では、やってみましょうか。
まずは、ここまでの変化についておさらいをします。
今回は、マーケティングで使う「PEST(ペスト)分析」というもので、簡単に私の方で整理してみました。
ペスト?笑。 新コロナって言っているのに、またペストって!思った人もいるかと思います。
この「PEST」っていうのは、「よのなか」の変化を大きく4つに分けて整理・分析するものです。わかりやすく言うと、このそれぞれの変化がすることで、ピンチになったり、チャンスになったりする人や企業(市場)を見て、じゃあどうする?と対応を考えていくものです。
その4つというのが、「P」「E」「S」「T」です。
順に説明すると・・・
P=Politics/Political(政治面)
政治って「よのなか」のルールを作るものなんです。法律や政策が政治で決まると、よのなかはそれに従う必要がありますよね。例えば今回の緊急事態宣言の発出というのも、そのことで、学校の休業要請やステイホームのようなことにつながりましたよね。
E=Economy/Economical(経済面)
こちらは、経済活動の変化ですね。景気や雇用、賃金、消費といったものが変化することで、皆さんの暮らしや就職などのミライに大きく影響しますよね。
S=Society/Social/Cultural(社会/教育・文化/ライフスタイル面)
ここでは、人口の増減や社会の流行、学校の変化や「ライフスタイル」っていう暮らし方の変化を整理するところです。お母さんやお父さん、それから皆さんの生活が以前と比べてどう変化したか、そのことで今後何がどう変わるかを考えます。
T=Technology/Technological(技術面)
最後は、テクノロジーの変化です。医療や通信分野あるいは自動車などで、新しい技術が生まれると「よのなか」ごろっと変わってしまいますよね。今回の新コロナでも通信環境がここまで進化していなかったらどうなっていたのでしょうか?また、今後医療における新しい技術やワクチンが生まれなかったら、今の状態はずっと続いてしまいますよね。
この4つを一般的には、こんな表で整理します。
「フレームワーク」という思考を整理する方法ですね。
で、今回は私の方で、ざっくりと整理してみました。
それがこれです。
過不足もあるかと思いますが、今回はこれで考えてみましょう。
この中身を読みながら、さあ、次は皆さんの出番です。
問題:「あなたは『これからよのなか』がどうなると思いますか?以下の視点から考えてください」
1.「毎日の学校がこうなる」
2.「毎日の暮らしがこうなる」
3.「未来の仕事がこうなる」
4.「世界がこうなる」
どうですか?で、考えるときに2つのことから考えてみてください。
1つは
「ここ1,2年で・・・」
もう一つは
「もっと未来は・・・」
これからのことなので、答えはありません。自由に考えてもらえたらと思います。
その時に「○○○だからこうなる」という理由を添えてもらえると良いと思います。
シートを用意しました。
どうですか? では、スタート!笑
先生方へ)
上記のシートをご入用でしたら、以下のメールアドレスにご連絡いただければお送りいたします。(パワーポイントとグーグルスライドでご用意しています)
ご要望用メールアドレスはこちら
(コピペして、メールください)
yanoya2020education@gmail.com
また、私のプロフィールは以下の通りです。
(リンクしています)
このテーマは、オンライン授業でもできるかと思います。
1.上記のPEST分析シートと、回答シートをメールや「グーグルスライド」や「ドライブ」を通じて配布して課題を出題。
2.各自でそれぞれ考えて回答シートに入力してもらい、メールや「グーグルスライド」や「ドライブ」を通じて回収。
3.その後、ZoomなどのWeb会議システムで発表してもらい、共有したり話し合ってもらいます。(少人数グループごとでもよいかと思います)
4.最後に考えてみた感想と、もしそうなるとしたら今何をするべきかを話してもらうのが良いと思います。
また、さらにアンケートにしてしまうことも可能かと思います。
5.先生の方で、回収したシートを使って、「グーグルフォーム」で各自のアイデアをアンケートの設問にする。
6.回答の選択肢として、「そう思う」、「それは良いと思う」を5段階で設定し
みんなで回答する。
7.みんなが回答を終えると、集計を見て各自で分析する。
8.分析した内容をWeb会議で話し合う。
生徒の皆さんが、これからの自分を少しでも考え、これからのミライに対して何をしてみたいか、しなければいけないかと考える機会になればと考えます。
では、また。
特別コラム2 「教材動画 マーケティングって何だ」
みなさん、こんにちは。
今回も先生方向けのコラムを掲載します。
前回、オンライン授業について取り上げました。さまざまな方から感想をお聞かせいただきました。ありがとうございます。「講義型」の短時間動画に質問会を組み合わせたら?一人の先生が講義をして、サポートの先生が生徒さんの反応を見れば?などのアイデアもいただきました。
先日、ハフポストで東京23区の小中学校でのオンライン授業の実施状況についてアンケートもありましたが、まだまだこれからのようですね。
前回、「講義型」は録画で、という話をしていましたが、撮影後の編集なども手間もかかるし、何とか簡単にできる方法はないかなあと思っておりました。
そこで、ふと…
「パワーポイントって、動画にできないのだろうか」
って思い調べてみると…
できるんですね~!
これなら、パワーポイントのスライドショー(プレゼンテーション)が
そのまま動画にできる。
これまで先生が作成されてきた資料がそのまま使えるかも!
よし、一度作ってみよう!
と思い、作成してみました。
作った動画は、
「マーケティングって、なんだ?」
マーケティングっていう言葉は皆さん知っていて、生徒の皆さんも結構ワクワクしてもらえるのですが、説明してと言われるとなかなか説明できないという摩訶不思議な言葉なんです。そこで、マーケティングとは何をすることなのかをわかりやすく伝える動画を作ってみました。
是非、ご覧ください。
作ったプロセス書いておきます。
<用意したもの>
・以前作ってあった資料
「マーケティングって何か」を生徒さんへ説明するときのもの
・フリーの画像
いつも利用させていただいている写真ACさんより
・フリーのイラスト
今回は、「アイキャッチャー」さんというところのものを利用させていただきました。これには理由があります。
・フリーのBGM
BGM?これにも理由があるのですが、「HURT RECORD」さんというところのものを利用させていただきました。
<作りかた>
1.元の資料の改善
もともとの資料は、自分が口頭で説明しながら使用するものですので、そのままで動画にしてわかりにくい。また短時間でも見ていて飽きてこないような工夫をしないと難しいかなと思いました。
2.ナレーションをどうしよう
先生方であれば、生徒さんも聞きなれたいつもの授業風に説明をナレーションを録音すればよいのですが、私の場合、誰が見るかわからないし、もともと関西弁なので(それはそれでやってみたいのですが笑)ちょっとナレーションは今回は遠慮したいなと思いました。ある方からは、「意を決してやるのです!」と激励され、ある方からは「字幕を付ければいいのでは」とビデオ変換後、動画の編集アプリで字幕を付ける方法もお教えいただきました。
いろいろ考えたあげく、演出として生徒さんとのやりとりをしているかのような、ちょっとLINEチャット風にすることで、ナレーション入れずに仕上げてみました。
(次回は、コテコテの関西弁でやってみましょうか笑)
3.パワーポイントをビデオに変換
アニメーションを確認して、「パワーポイント」にあるファイル→エクスポートでビデオに変換。HDというインターネットに最適のサイズにします。ここで、1スライド何秒にするか設定します。
4.Youtubeにアップロード
ここは、URLを知る人(つまりこのブログに来た人)しか閲覧できないように設定しています。
余談ですが、グーグルが無償で提供している各種のツールはホントに使えそうですね
<作成時間>
全部で約5~6時間でしょうか。生徒さんとのやりとり演出画面の制作と、アニメーションの設定に時間のかかってしまいました。
<作ってみたポイント>
・見てもらえる演出は、ちょっと必要?
5分でも動画で言うとちょっと長いかもです。ナレーションでうまくできればよいのかもしれません。先生方のいつもの冗談は必須です。
・パワーポイントを動画に変換するのは超簡単!
アニメーションをうまく設定する必要はあります。
・1スライドを何秒で見せるかがポイント。
細かな設定もあるようですが、変換するときに1スライドを何秒にするかの設定があります。
今回、作成したのは、スライドが20枚ありましたので、全体で5分想定とすると、1枚15秒。それで一度作ってみたのですが、ページによって情報量が多いと15秒では足りず、あっという間に次のスライドに移動してしまいますので、そのページを分割する必要など調整が必要です。
結果、今回は2枚増えたので、トータル5分30秒となってしまいました。
今回は即席で作成しましたが、やってみると、すぐにできそうです。
先生方のこれまでの資料にパワーポイントがあれば、あるいは無くてもプリントなどもスキャンして、パワーポイントに張り付けて、脈絡をつなぐ画面だけ作り動画にしておくと学びの機会を増やせそうかと思います。
いかがでしたか?
また、ご意見等お待ちしております。
では、また。
特別コラム 「授業だけじゃないかも?オンラインの活用方法」
皆さん、こんにちは。
まだ、学校も再開されない中、どうお過ごしでしょうか?
今回は、先生方に向けたコラムを掲載します。
今、先生方の間で一番話題?となっているものに「オンライン授業」があるのではないでしょうか?先生の学校では、どのようにご対応されているのでしょうか?
ある学校の先生が「オンライン授業」に対し、個別の先生が各自で取り組むものではなく、学校としてどのように活用していくべきかということをお話になっていました。その通りですよね。
新型コロナウイルスの影響による学校休業で、学びの機会損失が叫ばれるようになりました。(各自治体でもタブレット端末の予算を前倒しにして児童生徒への配布をするという、「今頃?」と思うほど遅い動きになっているところもあるようですが)
とにかくこれを使って、学びの機会を作らなければいけない状況の中、既に導入されているところでは、各教科の先生が試行錯誤の中、オンラインの授業を行っていらっしゃるニュースを目にします。また、各教育支援の民間会社では、授業のコンテンツを無料開放して支援するなどの動きも活発です。
そんなこともあって、私もこの期間に「オンライン授業」ってどうできるのか、学校の先生やキャリア教育コーディネーターの皆さんと体験してみたり、様々な方面の方と話をしてみたりしてみました。
その上で、皆さんの意見も含め、自分自身でいろいろ考えてみて、私なりに思うことが出てきました。それならこう活用した方がと思うアイデアもいくつか出てきましたので、今回はそんな内容です。少し偏った見方をしていると思いますし、変わると思いますが現時点の意見です。
1.オンライン授業方法と私が思うこと
2.オンラインってなんだ?
3.だったら、こういう活用はどうか?
少し長くなります。ご関心のところだけでもお読みいただければと思います。
1.オンライン授業方法と私が思うこと
オンラインの授業方法は様々ありますね。いつくか上げながら、思うところを書いてみます
・講義型
各教科で習う新しい知識や、考え方を先生が講義しながら教えるという一般的な授業を、そのままカメラを通じてオンラインで行う方法。
なんですが…実際オンラインで行う場合、特にリアルタイムの授業の場合、黒板を使いながらカメラに向かって説明している先生を見ていると先生がとてもやりずらそうに見えます。
なぜかと言えば、生徒さんの反応が先生に伝わりにくそうなんですね。
通常の教室での授業であれば、先生がざっと教室を見渡せば、どの生徒さんが理解しているか、どの生徒さんがちょっとわかりづらそうなのか、あるいは、どの生徒さんが聞いてないのか…笑!先生ならすぐ判られると思います。そして、その反応に合わせて生徒さんに質問してみたり、わかりづらそうなところを違う説明方法でフォローしてみたりされると思うのですが・・・
オンライン授業となると、画面に映る生徒さんを見てもわからない。多くの場合、顔しか映ってないし、画面に多くの生徒さんが一度に映るともう見えない。1クラス30人が一つの画面に収まらないですしね。
この講義型って、オンラインで通常の授業と同じようにするのは難しいのではないか?特にリアルタイムの授業は。
講義型は録画でいいのでは?と思ったりします。
でも、事前に用意する手間や時間などない。
なので、最初のリアルタイムの授業を毎回録画しておく。
それをいつでも見ることのできる状態にしておく。
クラウドサービスで共有できるものがあります。
そうすれば、1回の授業でたくさんの生徒さんに教えることもできる。
いわゆる学習塾の授業の方式ですね。各生徒さんの復習・自習にもつながるものです。
そして…オンラインの特徴をさらに活かす。後ほど説明します。
・事前問題提示~課題提出~回答発表・説明型
あらかじめ、生徒の皆さんに課題となる問題を、動画、プリント、あるいはドキュメントデータなどで伝えておいて、一定期間後、先生へ課題を提出する方法。大学などではこの方法をされていたのではないでしょうか?一昔前「反転授業」という言葉もありましたね。
この方法は、生徒さん自身の主体的な情報収集や思考力を養うようなテーマに向いていそうです。講義型の知識授業であれば、復習のための宿題をするのに良いと思います。
先日、中学1年生を想定した算数の授業をこれで行ってみました。事前に問題を提示してもらい、その答えを参加者が事前に作成して、オンラインで発表しあいながら先生から回答の説明を聞くというものです。
できなくはないです。
やってみて思ったのは、
・宿題の提示にパソコンのスキルが必要なこと。(これも勉強ですが)
・オンラインソフトの操作スキルに差が出る(経験あるのみですね)
・発表の際に言葉としての表現力が必要なこと。(これを養える機会といえば、その通り)
・発言はオンラインの方がしやすい。(家にいる安心感と、教室のようにその場の空気に左右されにくい)
・進行役の時間管理と発言の促し方(ファシリテーション)の技術が必要。
ということを感じました。
これもオンラインの特徴をうまく使えそうですよね。
オンラインの特徴?あとで説明しますね。
・事前問題提示~事前学習~グループディスカッション
こちらは、これから求められる「アクティブラーニング」や「探求型授業」をオンラインで行う方法。生徒の皆さんに課題となる問題を、動画、プリント、あるいはドキュメントデータなどで伝えて、事前に自分の考えをまとめておいてもらい、オンライン上でグループに分かれてディスカッションを行いながら、グループとしての意見をまとめ、全体で共有・ディスカッションを行うという流れになります。
テーマは「答えのないもの」あるいは「たくさんの答えがあって、どれが最善かを参加者で決めていく」ようなものになるため、リアルタイムのディスカッションがポイントになります。
先日この方法を、キャリア教育コーディネーターのメンバーとやってみました。
ホントなら教室に集まって行う方がいいですね。
やってみて思ったのは、
・リアルの探求型授業と同様、必要な事前のゴール設定を明確にする。
(ゴール=このテーマを通じて何を学びとするのか)
・オンラインソフトの操作スキルに差が出る(経験あるのみですね)
・進行役の時間管理と発言の促し方(ファシリテーション)の技術が必要。
・適宜小グループ単位でディスカッションできるのでオンラインは便利。
・リアルの探求型授業と同様、各自の振り返りの時間を設けよう。
2.オンラインってなんだ?
さて、ここまでいくつかの授業方法を見てきましたが、今一度オンラインの特徴を考えてみます。(今さらですが)
というのも、
この「オンライン授業」というものが、現在の状況だから行う必要のある緊急措置的手段になっていますし、もっと言えば、「オンライン授業」という「手段」が「目的」にすり替わってしまいそうな気がするからです。
喫緊の目的は「学びの機会の創出」ですが、その先にあるのは何より「生徒さんの成長」です。
「オンラインやっているから大丈夫」「教科の遅れを取り戻せた(ある意味学校都合ですよね)」ではなく、
学校方針として「子供たちにどのようなチカラをつけたいか」を実現するために
オンラインを使うことで、「より学びが深まり、生徒さんのチカラが付いた」という視点で考えなければならないのではと思います。
さて、私が考えるオンラインの特徴は3つです。
1)時間・場所の制約がなくなる
わかりやすく言えば、環境さえ整えれば、
「いつでも」「どこでも」「だれとでも」
つながることができるということです。
「どこでも」というのは、今「オンライン授業」が行われている理由。
「いつでも(学べる)」という視点でいえば、生徒さん各自がどんな時にでも学ぶことのできるという環境がポイントとなります。「講義型は録画で」としたのは、それが理由です。
さらに言えば、録画を保管する際に短時間(5~10分程度)に切り分けて保管すると、生徒さんは学びたいところ、復習したいところ、わからないところだけを見てもらえる。ということにつながると思います。
よのなか事例ですが、あるドラッグストアでは、店内のマニュアルを細かく切り分けて数分単位で動画にした結果、見る人が増え、またその理解度が高まっているという新聞記事がありました。
そして、
「誰とでも」。
これは、学びたい教科やテーマが共通しているグループで学びができたり、もっと言えばクラスや学校、あるいは地域を超えてグループで学びができるということです。学年を超えて学ぶ、東京と沖縄の生徒さんが一緒に学ぶ、アメリカにいる日本人と学ぶということができるのがオンラインの特徴です。探求型の授業などは、こう言った側面からの授業づくりも有効ではないかと思います。
先生側に立つと、各先生の得意のテーマを多くの生徒に教えることができます。
2)頻度が高められ、より理解が深まる
以前から、テレビ会議やWeb会議を行っている企業があります。企業におけるこのような動きの主たる狙いは、出張などの「コスト削減」や「時間の効率化」となっていますが、さらに言えば、短時間だけども頻度を高めて、内容をより有意義なものにするというものも狙いとしてはあると思います。講義型の復習録画や多頻度のグループディスカッションなどオンラインだからやれることだと思います。
3)双方向のパーソナルなコミュニケーションは得意
講義型で1クラス全体の生徒の反応をつかむのは難しそうとしましたが、オンラインの特徴は双方向。特にパーソナルなコミュニケーションはオンラインの得意技です。とすれば、先生と生徒の1対1や、少人数の生徒と先生のやり取りについては、これまで以上に行うことが可能なのではないでしょうか?何といっても「いつでも」「どこでも」そして、「頻度高く」できるのですから…。
一人一人の生徒の状況を理解し、何かしらの声掛けやアドバイスを行えるツールとしてオンラインをとらえるとやれることはまだまだありそうに思います。
3.だったら、こういう活用はどうか
以上のことから、オンラインの活用を考えてみます。
結論としては「授業だけじゃないかも」というか、学校運営やクラス運営にも使う方がより良いのかもと。
「朝礼・終礼のオンライン」
これは、今もされているところが多いと思います。生徒の皆さんの毎日のコンディションを顔の表情や会話からつかめるし、何かしらのサポートもできる。まさに「どこでも」「頻度高く」できますよね。
さらに活用するとすると、この機会に「生徒さんの自主的な計画」を設定してもらい、どの程度できたのか振り返ることを盛り込むこともよいのではと思います。もうされてますか?
時間割を作って行う授業の他に、今日あるいは今週はこんなことに挑戦したいなどを各自に宣言してもらう。興味のある教科やテーマ、あるいは苦手な教科やテーマなどへの取り組みをどのようにして行うか(準備されたものがあればよいのですが)を自主的に計画してもらう。そして、それがどこまでできたか、やってみてどうだったかを振り返ってもらう。それをキャリアパスポートに記録に残す、クラスで共有し、相互で認め合う。
オンラインという発言しやすい環境で、これまで以上に各生徒さんのことが理解できるそんな取り組みができるのではないかと思います。
「質問会・フリー談義をやろう」
これは、されているのでしょうか?
講義型で生徒さんの反応がつかみにくい分、別にオンラインで質問会を実施してみる。先生には事前に決めた時間にオンラインの場に来ていただいて、質問のある生徒さんだけが集まってきて、質問に答えるというやり方です。各生徒のコンディションに合わせて回答し、そのことで理解度を高められないでしょうか?
もちろんお忙しい先生方ですが、講義を録画にすることで、クラス単位の授業などが効率化できたらこんなこともできるのかなあと考えました。
また、フリー談義も必要かと思います。普段の学校なら廊下でのすれ違いなどで少し気になる生徒に声掛けなどされているかと思います。今、そう言ったことがなかなか難しいとなれば、質問会ではなく、先生の職員室にいるような時間をオンラインに作って、雑談や相談をすることも、生徒さんにとってはストレスの軽減につながるのではないかと思います。
「”部活的”グループ学習」
学校休業にともない部活動もストップしているかと思います。また今後、教科履修の調整などから、「総合的な探求の時間」や「特別活動」などの時間短縮があるのではないかと想定しています。とはいえ、いずれも子供たちの成長にとって必要不可欠な時間。特に教科を超えて、社会とのふれあいや、チームワーク力の醸成、あるいはオンラインだからこそできるメディアリテラシーなどのテーマを設定し、関心のあるテーマへエントリーしてもらい、オンライン上でやり取りをする部活動的なグループ学習はどうかなと思います。クラスや学年を超えてできるものかと思います。
もちろん、そこにテーマに合わせた地域の方々や得意とする先生に加わって頂くことでより良い活動になるのではと思います。
「職員会議こそ、オンライン会議」
これも、もうされていると思いますが、やはり操作のスキルや時間管理を含めた進め方、促し方(ファシリテーション)になれないと限りある時間でうまくいかないのではないかと思います。誰かができたらいいということでもありませんし、これから、様々な場面で使う必要が出てくるので、練習を兼ねてやってみるのが良いかと思います。校務分掌担当ごとの先生間の情報共有にも効果があるのでは?
いかがでしょうか?
私の現状認識の甘さや、誤認等もあろうかと思いますが、「オンライン授業」という手段ばかりが先行しているような気がし、本当に学校におけるオンライン活用ってどういうものなんだろう?ということを考えました。皆様のご意見お聞かせくださいませ。
もちろん、通常のリアルな学校授業がもっとも重要であることは確かです。
その場に集い、目の前の先生や人から伝わる思いは、なかなかオンラインに変えることが難しい。ただし、オンラインの特徴をうまく使うことで、より理解が深まり、成長につながることもたくさんある。
つまりは、うまく組み合わせる。
今後も引き続き、リアルな学校授業と、オンラインをどのように組み合わせると、より生徒さん自身の学びが深まり、成長につなげるか考えてみたいと思います。
では、また。
ご案内「今年度から『よのなかマーケティング』は出張授業にお伺いいたします」
皆さん、こんにちは。
いよいよ4月、本来ならウキウキ・ワクワクの新年度・新学期ですが、今年はねえ~。まだまだ、気を引き締めて、手洗い・うがい・アルコール消毒・三密防止に努めてまいりましょう。
先生におかれましても何かとご対応が大変かと思います。
先生方ご自身もご自愛いただきながら、いち早い日常への回復を祈念いたします。
早速ですが、いよいよ先生のご異動等も落ち着き、今年度の学校方針を実施してゆくタイミングかと思います。皆様の学校でも、校務分掌によるさまざまなお役割が決まっていかれているのではないかと思います。
その中で、
「総合的な学習(探求)の時間」のご担当になられた先生はいらっしゃいますか?
継続してご担当の先生もいらっしゃれば、新しくなられた先生もいらっしゃるのではないかと思います。特に新しく担当される先生にとっては、何から手を付ければいいの?という先生もいらっしゃるのでは?
そこでなんですが、「キャリア教育コーディネーター」に相談されてみませんか?
以前にも掲載いたしましたが、「キャリア教育コーディネーター」とは、
『キャリア教育コーディネーター育成ガイドライン』より抜粋
キャリア教育コーディネーターとは、地域社会が持つ教育資源と学校を結びつけ、児童・生徒等の多様な能力を活用する「場」*1を提供することを通じ、キャリア教育の支援を行うプロフェショナルである。
常に学校や児童・生徒等の現状を理解し、キャリア教育コーディネーターとして一定の知識・技能習得後も自ら学び成長し続けていく努力を怠らず、我が国のキャリア教育の発展に努める。
*1「場」とは、ものづくりや職場での体験活動などの場所という狭義の意味だけでなく、
地域社会が持つ教育資源を活用した学びの機会という意味を含む。
平成15年、首相官邸にて内閣官房長官、文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、経済財政政策担当大臣にて発足された「若者自立・挑戦戦略会議」にて、教育・雇用・産業政策の連携を強化し、キャリア教育、職業体験等を推進する「若者自立・挑戦プラン」が策定され、
その一環として、平成22年に経済産業省において、キャリア教育のコーディネート支援を行う人材を育成するための基本的な考え方をとりまとめた「キャリア教育コーディネーター育成ガイドライン」に基づき、
平成23年に一般社団法人「キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会」による人材の育成と資格認定試験による民間資格となっています。
2019年8月現在、全国に349名のコーディネータが活躍しています。
もし、ご関心ございましたら、一般社団法人「キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会」へお問い合わせください。(http://www.human-edu.jp/)
また4月1日今年は「夢の日」なので、こんなことも始まりました!
かくいう私も「キャリア教育コーディネーター」の一人ですし、「マーケティング」についても現在も様々な企業にて実践支援を行っています。
そこでなんですが、
授業の中にマーケティングを取り入れたいとお考えの先生はいらっしゃいませんか?
今年度は、これまでブログで授業のテーマを掲載していた内容も含め、実際に皆様方の「総合的な学習の(探求の)時間」をお手伝いできないかと思っております。
具体的には、各校の方針・課題や、今生徒につけたい「つけたい能力」を先生方からお聞きした上で、これまでのテーマをチョイス、あるいは新しくテーマを設定し、授業コマ数に合わせてプログラムを先生方と作成、実際に皆様の学校へお伺いし授業の支援を行いたいと思っています。
実際には、大きく2つのパターンがあるかと思います。
1.私自身が社会人あるいはマーケティングのプロとして外部講師として授業を行う
2.「キャリア教育コーディネーター」として、各校課題をお聞きしたうえで、企業、店舗など地域の資源をコーディネートしプログラムを作成。先生の授業支援を行う
です。
対象は、中学生・高校生で想定しています。
実施日程やコマ数など先生方と調整し対応いたします。
スタートは、2020年5月GW明けあたりからの想定です。
もちろん、今の事態が収束するのが前提。
その意味では、オンライン授業もやってみます!
お問い合わせ、お打ち合わせは今日から受付けます!
とはいえ、
「逢ったこともない人に、そんなこと任せられない」
「どこまでやってくれるのかわからない」
「当校の状況に沿って実施しないと」
などあろうかと思いますので、
是非、私のご面談を兼ねたお打合せをお願いできればと考えております。
私のプロフィールは、以下にあります。
実績など詳細ご質問につきましては、個別お問い合わせください。
ご質問などのお問い合わせフォームはこちらになります。
もしご検討の余地がございましたら、
以下のお打合せご依頼フォームにてご連絡ください。
あと、大切なことですが・・・
「費用がかかるんでしょ?」
もあるかと思います。
申し訳ありませんが、無償では対応することができません。
また費用については、内容やコマ数によりかかる時間=費用が上下いたしますので、個別お打合せとなります。
とはいえ・・・手掛かりがないと検討できないと思いますので、大体の想定している当面の費用の目安ですが・・・
ex. 私単独の場合(外部講師としての場合)
・お打合せ(事前お伺い<メール・電話のやり取り含む>)=交通費実費のみ
・授業プログラムのご提案・教材の作成・準備支援(2~3コマ程度)=20,000円~
・実施決定後の出張授業 =1コマ 7,000円~(交通費・宿泊費別途実費)
費用はあくまで希望目安です。お打合せさせていただければ幸いです。
私は現在、京都市在住です。
遠方の場合、少し交通費がかかってしまいますが、できるだけ様々なところへお伺いしたいと思います。もちろん、北海道でも、沖縄でも参りますよ!
今年度からますます探求型授業が求められ、総合的な探求の時間だけでなく、すべての授業の方法を新しくしてゆくタイミング。
是非一度ご検討いただけますと幸いです。
今後も授業テーマは掲載してまいりますので
引き続き、よろしくお願いいたします。
特別授業その3 <教材付>「(読解力・表現力)メルケル首相の演説を読んで『伝える・伝わる』を考えてみよう」
皆さん、こんにちは。
本日2020年3月24日時点ですが、
まだまだ新型コロナウイルスは収束していません。
日本では3月23日から再開された学校もありますが、アメリカやヨーロッパでは、厳しい状況が続いています。欧米の各国では、ほぼすべての国で外出禁止。生活必需品の買い物など必要最低限の外出のみが認められている状況で、主要な街に人はほぼいない状態となっています。
それに引き換え、日本ではどうでしょうか?
皆さんを含めここまでの自粛もあって、感染者が抑えられているとはいえ、この3連休も公園や行楽地は、多くの人でにぎわっていたようです。(大阪と兵庫の間の移動自粛要請はありましたが・・・)
桜の開花や春の陽気に誘われた?
あるいは、長期間家で過ごして「コロナ疲れ」のようなストレスからでしょうか?
「密閉性の高く換気の悪い空間」
「手の届く距離に多くの人がいる」
「近距離での会話や発声がある」
という感染しやすい条件が重なる場所ではなく、「屋外だから・・・」ということなのでしょうか?
世界と日本には人の意識に温度差が出てきているようです。
何事もなければよいのですが・・・。
まだまだ予断許さない状況です。継続して注意をしてくださいね。
決して永遠と続く終わらないことではないのですから。
さて、今回も特別授業として、皆さんと考えてみたいことがあります。
それは、「伝えるチカラ」「伝わるチカラ」ということです。
教科で言うと、国語です。
2020年3月18日にドイツのメルケル首相がTV-Anspracheというテレビから国民へメッセージを送りました。その録画後、YouTubeで配信されました。見た人いるかな?
その内容は、誰にでも分かりやすく簡潔で、また非常に危機感を伝えるとともに、何をすべきなのかを具体的に話されていたようです。そのことで国民の理解と共感が進み、現在の状況を耐える意識と行動につながっていると聞いています。
まさに「受け手にきちんと伝わる伝え方」だったと言えます。
どんな話だったのでしょう?
私はドイツ語を理解することができません。
でも、SNSなどで流れてきた日本語訳を読んでみたら、
これはとても感銘する演説だ!
皆さんと共有しながら、「伝えること」や「伝わるってどういうことか」を考えたい!
と勝手に思いまして・・・
今回、この演説とほぼ同時に翻訳をされ、ブログに掲載された方へ、私のこのブログへ掲載をして良いですか?というメールさせていただき、快くご承諾をいただきました!
ありがとうございます!
そこで、その内容を皆さんと読んで考えたいと思います。
その方は、現在ドイツにご在住の 林フーゼル美佳子 さんという方です。
林さんは、ドイツ⇔日本語の翻訳、ドイツ語の作文の添削、文書やニュースの解説をされているようです。
林さん自身の翻訳というお仕事にも興味ありますね。興味があれば、林さんのホームページも見てみてください。
さて、林さんが翻訳されブログ掲載されたメルケル首相の演説全文は以下のものです。
(※以下、林さまブログよりそのまま引用していますが、読みやすいよう改行のみ私の方で加工しています。林さまへ・・・不都合等ございましたらお知らせください。)
【試訳】
親愛なる国民の皆様*、
コロナウイルスは現在わが国の生活を劇的に変化させています。私たちが考える日常や公的生活、社会的な付き合い ― こうしたものすべてがかつてないほど試されています。
何百万人という方々が出勤できず、子どもたちは学校あるいはまた保育所に行けず、劇場や映画館やお店は閉まっています。そして何よりも困難なことはおそらく、いつもなら当たり前の触れ合いがなくなっているということでしょう。もちろんこのような状況で私たちはみな、これからどうなるのか疑問や心配事でいっぱいです。
私は今日このような通常とは違った方法で皆様に話しかけています。それは、この状況で連邦首相としての私を、そして連邦政府の同僚たちを何が導いているのかを皆様にお伝えしたいからです。
開かれた民主主義に必要なことは、私たちが政治的決断を透明にし、説明すること、私たちの行動の根拠をできる限り示して、それを伝達することで、理解を得られるようにすることです。
もし、市民の皆さんがこの課題を自分の課題として理解すれば、私たちはこれを乗り越えられると固く信じています。このため次のことを言わせてください。
事態は深刻です。あなたも真剣に考えてください。東西ドイツ統一以来、いいえ、第二次世界大戦以来、これほど市民による一致団結した行動が重要になるような課題がわが国に降りかかってきたことはありませんでした。
私はここで、現在のエピデミックの状況、連邦政府および各省庁がわが国のすべての人を守り、経済的、社会的、文化的な損害を押さえるための様々な措置を説明したいと思います。しかし、私は、あなたがた一人一人が必要とされている理由と、一人一人がどのような貢献をできるかについてもお伝えしたいと思います。
エピデミックについてですが、私がここで言うことはすべて、連邦政府とロバート・コッホ研究所の専門家やその他の学者およびウイルス学者との継続審議から得られた所見です。世界中で懸命に研究が進められていますが、コロナウイルスに対する治療法もワクチンもまだありません。
この状況が続く限り、唯一できることは、ウイルスの拡散スピードを緩和し、数か月にわたって引き延ばすことで時間を稼ぐことです。これが私たちのすべての行動の指針です。研究者がクスリとワクチンを開発するための時間です。また、発症した人ができる限りベストな条件で治療を受けられるようにするための時間でもあります。
ドイツは素晴らしい医療システムを持っています。もしかしたら世界最高のシステムのひとつかもしれません。そのことが私たちに希望を与えています。しかし、わが国の病院も、コロナ感染の症状がひどい患者が短期間に多数入院してきたとしたら、完全に許容量を超えてしまうことでしょう。
これは統計の抽象的な数字だけの話ではありません。お父さんであり、おじいさんであり、お母さんであり、おばあさんであり、パートナーであり、要するに生きた人たちの話です。そして私たちは、どの命もどの人も重要とする共同体です。
私は、この機会にまず、医師としてまたは介護サービスやその他の機能でわが国の病院を始めとする医療施設で働いている方すべてに言葉を贈りたいと思います。あなた方は私たちのためにこの戦いの最前線に立っています。あなた方は最初に病人を、そして、感染の経過が場合によってどれだけ重篤なものかを目の当たりにしています。
そして毎日改めて仕事に向かい、人のために尽くしています。あなた方の仕事は偉大です。そのことに私は心から感謝します。
さて、重要なのは、ドイツ国内のウイルスの拡散スピードを緩やかにすることです。そして、その際、これが重要ですが、1つのことに賭けなければなりません。
それは、公的生活を可能な限り制限することです。もちろん理性と判断力を持ってです。国は引き続き機能し、もちろん供給も引き続き確保されることになるからです。私たちはできる限り多くの経済活動を維持するつもりです。
しかし、人を危険にさらす可能性のあるものすべて、個人を、また共同体を脅かす可能性のあるものすべてを今減らす必要があります。人から人への感染リスクを可能な限り抑える必要があります。
今でもすでに制限が劇的であることは承知しています。イベント、見本市、コンサートは中止、とりあえず学校も大学も保育所も閉鎖され、遊び場でのお遊びも禁止です。
連邦政府と各州が合意した閉鎖措置が、私たちの生活に、そして民主主義的な自己認識にどれだけ厳しく介入するか、私は承知しています。わが連邦共和国ではこうした制限はいまだかつてありませんでした。
私は保証します。旅行および移動の自由が苦労して勝ち取った権利であるという私のようなものにとっては、このような制限は絶対的に必要な場合のみ正当化されるものです。そうしたことは民主主義社会において決して軽々しく、一時的であっても決められるべきではありません。しかし、それは今、命を救うために不可欠なのです。
このため、国境検査の厳格化と重要な隣国数か国への入国制限令が今週初めから発効しています。
経済全体にとって、大企業も中小企業も、商店やレストラン、フリーランサーにとっても同様に、今は非常に困難な状況です。
今後何週間かはいっそう困難になるでしょう。私は皆様に約束します。連邦政府は、経済的影響を緩和し、特に雇用を守るために可能なことをすべて行います。
わが国の経営者も被雇用者もこの難しい試練を乗り越えられるよう、連邦政府は、必要なものをすべて投入する能力があり、またそれを実行に移す予定です。
また、皆様は、食料品供給が常時確保されること、たとえ1日棚が空になったとしても補充されること信じて安心してください。スーパーに行くすべての方にお伝えしたいのですが、備蓄は意味があります。ちなみにそれはいつでも意味のあるものでした。けれども限度をわきまえてください。何かがもう二度と入手できないかのような買い占めは無意味ですし、つまるところ完全に連帯意識に欠けた行動です。
ここで、普段あまり感謝されることのない人たちにもお礼を言わせてください。このような状況下で日々スーパーのレジに座っている方、商品棚を補充している方は、現在ある中でも最も困難な仕事のひとつを担っています。同胞のために尽力し、言葉通りの意味でお店の営業を維持してくださりありがとうございます。
さて、今日私にとって最も緊急性の高いものについて申し上げます。私たちがウイルスの速すぎる拡散を阻止する効果的な手段を投入しなければ、あらゆる国の施策が無駄になってしまうでしょう。その手段とは私たち自身です。私たちの誰もが同じようにウイルスにかかる可能性があるように、今誰もが皆協力する必要があります。
まず第一の協力は、今日何が重要なのかについて真剣に考えることです。パニックに陥らず、しかし、自分にはあまり関係がないなどと一瞬たりとも考えないことです。不要な人など誰もいません。私たち全員の力が必要なのです。
私たちがどれだけ脆弱であるか、どれだけ他の人の思いやりのある行動に依存しているか、それをエピデミックは私たちに教えます。また、それはつまり、どれだけ私たちが力を合わせて行動することで自分たち自身を守り、お互いに力づけることができるかということでもあります。
一人一人の行動が大切なのです。私たちは、ウイルスの拡散をただ受け入れるしかない運命であるわけではありません。私たちには対抗策があります。つまり、思いやりからお互いに距離を取ることです。
ウィルス学者の助言は明確です。握手はもうしない、頻繁によく手を洗う、最低でも1.5メートル人との距離を取る、特にお年寄りは感染の危険性が高いのでほとんど接触しないのがベスト、ということです。
こうした要求がどれだけ難しいことか私は承知しています。緊急事態の時こそお互いに近くにいたいと思うものです。私たちは好意を身体的な近さやスキンシップとして理解しています。けれども、残念ながら現在はその逆が正しいのです。これはみんなが本当に理解しなければなりません。今は、距離だけが思いやりの表現なのです。
よかれと思ってする訪問や、不必要な旅行、こうしたことすべてが感染を意味することがあるため、現在は本当に控えるべきです。専門家がこう言うのには理由があります。おじいちゃんおばあちゃんと孫は今一緒にいてはいけない、と。
不必要な接触を避けることで、病院で日々増え続ける感染者の世話をしているすべての方々を助けることになります。こうして命を救うのです。多くの人にとってこれはきついことでしょう。誰も一人にしないこと、声かけと希望が必要な方たちの世話をすることも重要になってきます。私たちは家族として、また社会として別の相互扶助の形を見つけるでしょう。
今でもすでに、ウイルスとその社会的影響に対抗する創造的な形態が出てきています。今でもすでに、おじいちゃんおばあちゃんがさみしくないようにポッドキャストをするお孫さんたちがいます。
私たちは皆、好意と友情を示す別の方法を見つけなければなりません。スカイプや電話、イーメール、あるいはまた手紙を書くなど。郵便は配達されるのですから。自分で買い物に行けないお年寄りのための近所の助け合いの素晴らしい例も今話題になっています。まだまだ多くの可能性があると私は確信しています。私たちがお互いに一人にさせないことを社会として示すことになるでしょう。
皆様にお願いします。今後有効となる規則を遵守してください。私たちは政府として、何が修正できるか、また、何がまだ必要なのかを常に新たに審議します。
状況は刻々と変わりますし、私たちはその中で学習能力を維持し、いつでも考え直し、他の手段で対応できるようにします。そうなればそれもご説明します。このため、皆様にお願いします。噂を信じないでください。公的機関による発表のみを信じてください。発表内容は多くの言語にも翻訳されます。
私たちは民主主義社会です。私たちは強制ではなく、知識の共有と協力によって生きています。これは歴史的な課題であり、力を合わせることでしか乗り越えられません。
私たちがこの危機を乗り越えられるということには、私はまったく疑いを持っていません。けれども、犠牲者が何人出るのか。どれだけ多くの愛する人たちを亡くすことになるのか。それは大部分私たち自身にかかっています。私たちは今、一致団結して対処できます。現在の制限を受け止め、お互いに協力し合うことができます。
この状況は深刻であり、まだ見通しが立っていません。 それはつまり、一人一人がどれだけきちんと規則を守って実行に移すかということにも事態が左右されるということです。
たとえ今まで一度もこのようなことを経験したことがなくても、私たちは、思いやりを持って理性的に行動し、それによって命を救うことを示さなければなりません。それは、一人一人例外なく、つまり私たち全員にかかっているのです。
皆様、ご自愛ください、そして愛する人たちを守ってください。ありがとうございました。
【試訳終了】
皆さん、いかがですか?
林さんが「試訳」とされているのは、「スピード重視」で訳されたのでということですが、すごく気持ちに届く演説ですよね。
林さんは、ドイツ語の翻訳家ですので、今回の翻訳での文法解説やほかのどのような翻訳が可能かを補足としてブログに掲載されていますので、そちらもあわせて見ていただければと思います。
ちなみに「エピデミック」という言葉が出てきますが、これは流行の規模や状況の度合いを示すもので、「エンデミック」(一定の地域内において、感染症などの疾患が恒常的に発生している状況:地域流行)その次が「エピデミック」(一定の地域内で、感染症などの罹患が通常の期待値を超えて急増する状況:流行)そしてその次が「パンデミック」(エピデミックとなった疾患が、一定の地域を超えた広範囲で同時に流行する状況:世界的大流行)となっています。
さて、皆さんクエスチョンです。
Q1.メルケル首相の演説を読んで「とても状況が実感できる」と思ったところはどこですか?具体的な文章を選んでみて、なぜ実感できるのかを教えてください。
Q2.メルケル首相の演説を読んで、あなた自身は「どうすべき」と思いましたか?
Q3. メルケル首相は、この演説を話すときにどんなことを気を付けられたと思いますか?それは、どの文章から感じるとことができますか?具体的な文章を選んであなたの考えを教えてください。
Q4.人に物事を伝えるときに気を付けることってどこにあると思いますか?
どうですか?
今回も回答は、いろいろあるかと思いますし、いろいろあっていいと思います。
「伝えること」と「伝わること」について考える良い機会になれば、そして皆さん自身んが毎日のコミュニケーションに少しでもそのことが活かすことができればと思います。
最後になりましたが、今回、林さまに快く承諾いただきましたこと、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。ドイツを含め世界の人々が共に連帯し、この危機からいち早く抜け出せることを祈念いたします。
では、また。
2020年6月15日 このテーマの教材シート作成しました。
ご必要であれば、以下よりご連絡ください。