中学・高校生のための よのなかマーケティング・キャリア教育 授業テーマ集

中学・高校の「現代社会」「公共」「総合的な学習の時間」で、これから求められる「思考力・判断力・表現力」を養うための探求型授業で使える授業テーマ集です。 Copyright Masanori yano

授業テーマ7「恵方巻をもうやめよう」

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みなさん、こんにちは。


前回のテーマで、験担ぎ商品を取り上げましたが、今回はその続きのようなテーマでみなさんとマーケティングしたいと思います。

 

それは、食品廃棄の問題です。

 

今年の節分の恵方巻をめぐって、あるスーパーが「(恵方巻を)もうやめにしよう」というような新聞広告を出しました。もともと巻き寿司が「恵方巻」として売れるのは、2月3日の節分のみ。この一日のために、恵方巻用にいつもの巻き寿司とは違うちょっといい具材や仕立てを工夫して作っています。

 

それを作ったり、売ったりする方はその日にたくさん買ってほしいので作るのですが、どのくらい作ればよいのかを決めるときに、少しでもたくさん売りたいと考えます。だから、これまでの売れた数量以上に作ろうと考えます。

 

作るメーカーさんは、お店で品切れを起こしたらお店の方に迷惑がかかると考え、売るお店さんの方もほしいと思うお客様に売り切れは言いたくないと考え、売れる数以上の恵方巻を作ります。

 

結果どうなるかというと、たくさん商品が売れ残る場合が多い。そして、賞味期限という「美味しく食べられる期間」を過ぎて、売れなくなって、最後捨てられる。

 

これが全国で起こるんです。このことは、恵方巻だけではなく、クリスマスケーキも同じです。

 

実はこういった食品ロスが日本は世界の中でも非常に多い。

 

次のまとめは、環境省が作成したものです。

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食品メーカーや小売店などで食品を作ったり売ったりする過程で生まれる廃棄物と、みなさんそれぞれのお家で生まれる廃棄物がその後どうなっているかをまとめられています。ある程度は、食品リサイクル法という法律によって家畜の飼料や肥料あるいは燃料として再活用されています。

しかし、食品ロスというまだ食べられるのに捨ててしまっている食品もあって、それが廃棄されている量が年間に600万トン以上あるとされています。

 

さてここからクエスチョン。

 

Q1まずは、算数。食品ロスは一人あたり年間何キロ出していることになるでしょうか?

これは簡単!(思考力)

 

Q2験担ぎ商品だけでなく、こういった食品ロスは毎日に起こっています。みなさんの身近なところでいうと、どんなところで起こっていると思いますか?(思考力)

 

Q3日本では特にこの食品ロスの問題を深く考えないといけない理由があります。
なんだと思いますか?(情報収集 思考力)

 

Q4みなさんがこの食品ロスの問題を解決するためにできることはなんでしょう?

 

一人ひとりができること、協力してやるべきことなど考えてみてください。(創造力)

 

Q5さて、みなさんは「恵方巻をもうやめよう」と言ったスーパーさんに賛成ですか?反対ですか?理由と合わせて教えてください。

 

 

今回は、これからみなさんと一緒に考えなければならない社会問題のひとつです。
ぜひ、この機会に一度深く考えてみてください。

 

では、また。