テーマ22 回答例「自分インタビューをしてみよう!」
みなさん、こんにちは。
自分インタビューどうでしたか?上手くできたかな。
インタビューの発言や、やってみて改めてわかったことは、できたら友だちや先生に話してみてください。
友だちや先生は、皆さんのことを客観的に見ているので、みなさんが気づいていないことを教えてくれるかもしれません。
実はこの「振り返り」をすることは、みなさんだけが、学校だけで行うことではありません。先生もやった方がいいし、みなさんが社会に出ても、やり続けた方が、人生が豊かになると思います。
マーケティングにも「振り返り」が絶対に必要です。
この「振り返り」をマーケティングやビジネスの世界では「PDCAサイクル」と言います。米国のウィリアム・エドワード・デミング博士という学者が、1950年ごろ工場の品質向上のために提言したものです。
P(=Plan)
=企画や計画をすることを意味します。
D (=Do)
=企画や、計画を実行することです。
C (=Check)
=実行したことを検証する、まさに振り返ることです。
A (=Act)
=検証した結果、次に何を改善すべきか行動へつなげます。
このPDCAを回しながら、徐々にでも改善や、進化をさせてビジネスをより良くしていくことを「PDCAサイクル」と言っています。ビジネスでは、これを会社全体や組織の単位で行います。
このPDCAサイクルは、私がマーケティングの仕事をし始めたころから言われていたことでした。
が、実際ね、このサイクルをきちんと回している会社は、日本ではまだまだ少なかったといっても過言ではありません。
言い切ってしまいますが、「やりっぱなし」が多かったんです!笑。
「次のことは、また次考えればいいから」なんて良く聞いたことがあります。逆に欧米ではそのころからこのPDCAがベースだったんじゃないでしょうか?
でも、最近このPDCAサイクルをきちんと回そうとする会社が増えだしました。また、最近では「OODA(ウーダ)ループ」という新しい考え方も取り上げられています。(興味があれば、検索してみてください)
なぜやり出したと思いますか?私は大きく2つの点があると思っています。
1.ますます予測の難しい時代になったから
その昔、みなさんのおじいさんが働いていたころかな?日本は高度成長と言われる時代で経済が右肩上がり(=横の軸に年を置いて棒グラフや折れ線グラフで描くと、右側へ行けばいくほど(年を重ねるほど)縦軸の売上や市場の規模は大きくなること)で、何をやってもほぼ何とかなった。つまり振り返ることなど必要なかったのかと思います。言い方を変えれば、だいたい近い未来の予測がついた時代といえます。
しかし、ここ近年はグローバル化もあって競争は激しくなりました。さらにITなどは毎日進化、それを活用した動きがどんどん出てくる・・・まさに近い未来ですら全く予測ができない時代となっています。
そんな状況では、会社は「何とかなる」なんて全く思えないし、できるだけ無駄なく仕事を進めないといけなくなる。いわゆる行うことの精度を高める必要がある。とはいえ、次やるべきことは予測が難しい。となると、「おそらく、こうなんじゃないか」という仮説で動かざるを得ない。
で、その仮説が正しかったのかどうかを確かめるとともに、「次はもっとうまくやる方法」に改善して行かないと競争に負けてしまうとなった。なので、きちんとPDCAサイクルを回す企業が増えだしたのではと思っています。
2.ITの進化で、見えなかった情報が見えるようになったから
これまでは、何かしらのP(企画、計画)を立てて実行しても、最後の成果は分かるものの、成果が出なかった時、「どこが、なぜ悪かったのか」あるいは成果が出ても、「どこが、なぜ良かったのか」がわからない場合が多かったように思います。しかし、近年ITが進化すると、今まで見えなかった情報が数字などで分かるようになった。ECショッピングなどは典型的ですし、リアルのビジネスでも情報がつかみやすくなりました。つまり、「どこが、なぜ悪かった(良かった)」ということがつかみやすくなったというのもPDCAサイクルが回せるようになった理由でもあると思います。
本格的にマーケティングやビジネスの話になってしまいましたね。笑
いすれにしろ、振り返って、次をより良くするのは、一人ひとりも、会社も同じというのが分かってもらえると幸いです。みなさんもミライも予測不可能、というか、ミライは皆さん一人ひとりが自由に描くことができるもの。
であれば、ミライにつながる今の経験をいつも振り返り、次へつなげていくことは、ホントに皆さんが楽しいミライをつくる上でとても大切なことだと思います。
これから、みなさんが進路を決める、ミライの仕事を決めるために学校でも、この振り返りを重視していくことが行われます。
「ポートフォリオ」と呼ばれるもので、書類を運ぶ平らなケースの意味ですが、そのケースの中に、学校での経験の振り返りをずっと貯めていって(ファイリングして)、進路の決定などの機会に、自分自身で振り返る、先生と共に振り返るようになります。そんな機会を通して、みなさんがミライを決めてゆく。その方が、きっとみなさん自身にとっても良いと私も思います。
「振り返り」の方法あれこれ。
そうは言うけど、振り返るのってなかなか難しくないですか?単に楽しかった、悔しかったではミライにつながりそうに自分としても思えませんよね。なので、マーケティングの世界にあるいくつかの方法を紹介しますね。
目標設定型振り返り
これは、何かをする前に目標となることを決めておいて、それができたかどうかを振り返る方法です。
例えば、今回の文化祭の演劇で、見に来てもらった人から、「良かった」と言ってもらうことを目標にします。(これをKGI<Key Goal Indicator>といって最終の目標です。)すると、良かったのかどうかをアンケート等を事前に用意しておく必要がありますよね。
また、演劇で「良かった」と言ってもらうために、何をしないといけないかをこれも事前に決めておく必要があります。(これをKPI<Key Performance Indicator>といって、目標を達成するために必要なプロセス上の小さな目標です。)
例えば、練習でお互いの演技の良いところ、改善した方が良いところを言いあうとか、大きな動作と発声をするための運動や発声の練習をするなどですね。できればそれぞれ何回以上はしようとか、できたかどうか後で分かるように数で目標化するのがポイントです。
いずれも、何かを行う前に設定するのがポイントです。
YWT
これは、経験したことに対し「Y=やったこと」「W=分かったこと」「T=次やること」にわけて、振り返るもので、日本能率協会コンサルティングが提唱しているものです。以下のようなフォームをつかって考えるもので、皆さん一人ひとりでもできるし、チームで話し合いながらもできるものです。
で、「T=次やること」をもとにした次の経験をまた、YWTをしてみるという使い方もできます。
こちらはYWTとフォームは似ていますが、少し視点が異なります。「K=<KEEP>やってみて成果が出たので、維持(キープ)したいこと」「P<=PROBLEM>問題があって改善すべきこと」「T<=TRY>次に新しくトライしたいこと」に分けて振り返ります。チーム単位になって、個人の意見をそれぞれに出し合いながら、まとめて行きます。
YWTもそうですが、「T」を具体的な行動や数字などやったか、やらなかったかが分かるようにすることがポイントです。
いかがでしたか?
いすれにしても、みなさんが経験を振り返り、経験したことの本質を自分なりに分かって、次へ活かすことが目的ですので、経験に合わせて、分かりやすく、やりやすいものをチョイスしてもらえばと思います。
では、また。