中学・高校生のための よのなかマーケティング・キャリア教育 授業テーマ集

中学・高校の「現代社会」「公共」「総合的な学習の時間」で、これから求められる「思考力・判断力・表現力」を養うための探求型授業で使える授業テーマ集です。 Copyright Masanori yano

テーマ29 回答例「自然災害の教訓を活かす商品開発をしてみよう」

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みなさん、こんにちは。

東日本地震から8年目の今年の3月11日から、おおよそ1週間。

今週は、テレビを中心にさまざまな番組でそのすさまじさや、被災された皆さんの状況など、これからに活かすための振り返りを行われていましたね。

1週間経って、みなさん今も何か考えていますか?

ついつい「目の前の今」に集中しちゃって、忘れそう?

そうですよね。でも、いつ起こるかわからないのが自然災害です。その時に適切な行動ができるようにしておくためにも、教訓から得られたことを考え、準備や避難訓練などの体験を定期的にしておきましょうね。

 

そうそう、消防庁地震防災マニュアル一度見ておきましょう。

www.fdma.go.jp

 

 早速、回答例にいってみましょう。

 

Q1.自然災害時のことを考えて作られた商品やサービスを見つけてください。

 (情報収集力)

 

どうでしたか?たくさんありましたね。

一部をあげてみると、

・災害時の身を守る商品

 簡易ヘルメット居場所をアピールするホイッスルなど

・保存食、非常食

 これは昔からあるけど、水だけで食べられるお米とか温めなくても美味しいカレーとか、缶詰も今はパンとか、スイーツまであるようですね。先日取り上げたカップは保存食、非常食としての役割も非常に大きい。

 

中でも、最近商品化されたのは、液体ミルク。グリコが2016年の熊本地震の際、赤ちゃんを育てるお母さんが、自然災害によるストレスで母乳が出なかったり、あるいは粉ミルクからミルクを作ろうと思っても、きれいな水やお湯が手に入らないという状況をみて、 開発されたそうです。

 

・水

避難時の給水用のタンクなどもありますが、最近では持ち運びの出来る浄水器などもあるようですね。

・トイレ、衛生

簡易トイレお風呂に入れないときの大型のウエットシート、あと、水のいらないシャンプーや、歯ブラシなども。

・ライト

懐中電灯以外に、電池がなくても水があれば光るライトなども見つけることが出来ました。

 ・電源

太陽電池も使えそうですね。またカセットコンロのボンベで発電する発電機なども。

 

昨年の大阪北部地震の際は、地元の関西大学社会安全学部の学生の皆さんが駅で発電機を利用して、携帯電話などの充電サービスをボランティア活動として行われていました。学びを実践されている様子をみて、非常に感心をしたことを覚えています。

 

・避難所商品

 テーマで取り上げた段ボールで作るベット以外にも、体に巻くと暖かいシートプライバシーを確保するテントなど。

 

みなさんは、どんなものを見つけられたかな。また、こういう商品があること、知っていましたか?持っていますか?自分自身であるいは家族で用意しておくもの今一度考えてみるのも良いかと思います。

 

また、調べてみてどうかな?

日ごろ持っているもので工夫すれば、使えそうなものありそうですね。災害のときこれ使えそう~みたいな事も考えてみて。

 

Q2のアイデアにもなるかもですね。「身の回りに既にあるものを災害時こう使う」そんな設問にするともっと良かったかな笑。

 

Q2.見つけた商品やサービスを参考に、皆さんならどんな商品やサービスが作れそうですか?

難しいかな?考え方のヒントを書いておきますね。

 

その1「災害が起こると、私たちにこんなことが影響する」(情報収集・分析力)

その2「そのことで、人々にこんな状況が生まれる」(問題発見力)

その3「それを解決するには、こんな商品やサービスがあればいいのでは」(問題解決・創造力)

 

どうでしたか?日常とは異なる状況なので想像しにくいかな。だから、過去の出来事をしっかり見聞きすることが大切ですね。

少し、私も考えてみました。

 

その1「災害が起こると、私たちにこんなことが影響する」(情報収集・分析力)

例えば、みなさんの通学中(自転車で、としましょうか)に災害が起こったとします。

通学に使っている道路が通れない。家にも学校にも行けない状況も発生しそうです。

 

その2「そのことで、人々にこんな状況が生まれる」(問題発見力)

一人で通っていると、自分の安否を知らせる必要があるし、家族や友達のことも気になる。あるいは、どういう状況なのかどうすればよいのか考えるためにも情報を知りたくもなる。そのとき必要なのがスマートフォン。携帯電話会社の安否確認サービスにいれたり、つながりやすいとされるLINEを使ったりする・・・電池を良く使う・・・時間が経過する・・・電池が減っていく。不安・・・どうする?というような状況がうまれる。

 

※2月に大阪府は公立の小中学校での携帯電話の取り扱いについてガイドラインの素案を発表しました。ガイドライン素案には「子どもが、登下校時に限り、携帯電話を所持できるよう、持ち込み禁止の方針を一部解除することにしました」と明記されたとのこと。

私も必要だと思うのでその前提で回答しますね。

 

その3「それを解決するには、こんな商品やサービスがあればいいのでは」(問題解決・創造力)

 

みなさんの周りにそれを解決するものがあれば!

例えばです。最近通学の自転車などが電動自転車になっていますよね。あの電池、携帯の電源用に使えないかな?電池にUSBが挿せるように出来ないか?笑!

少し調べてみましたが、別にアダプターを買わないとダメみたいですね。最初からそういう風に作ってもらいたいなあ(もしあったら教えてくださいね。)

あるいは、電動自転車でなくても、自転車のサドルの後ろに非常用の電池や、ホイッスルなどを常備できるセットでもいいかも(自分で作れそうだね)

 

どうでしょう?

みなさん、どんな商品思いつきましたか?

漠然と考えると、何も思い浮かばないですが、ヒントのように考えていくとアイデアが生まれやすいですよね。

 

特に

その1「災害が起こると、私たちにこんなことが影響する」(情報収集・分析力)

その2「そのことで、人々にこんな状況が生まれる」(問題発見力)

がポイント。

 

例えば、高齢者の方なら、あるいは妊婦さんなら、幼稚園の子どもならどんなことが影響するのか、そのことで、どんな状況がうまれるのか・・・・その人の状況になって、気持ちになって考える。これは、マーケティングの一番大切なことですね。

 

今回のテーマはいかがでしたか?

 

では、また。